二十四節気の花あしらい

旬の花を最初から最後の一輪まで
楽しみつくして、
気軽に季節を感じる、
そんな花のあしらいの
テクニックをご紹介。

第三話 処暑の花あしらい「スターチス」

2021.08.23

life

日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきましたが、この「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸で花に携わってきた谷中直子がご紹介いたします。
毎月、旬の雰囲気を楽しめる花をピックアップして、最後の一輪まで楽しみつくす、そんな花のあしらいのお話です。


2021年8月23日から二十四節気は処暑に

あっという間に季節がすすんで日が暮れるのが早くなったり、朝夕の涼しさをふと感じたり。
ヒグラシの鳴き声がきこえて、夏ももうすぐ終わり…
そんなちょっとセンチメンタルな気分になるこの季節にはノスタルジックな気分にひたれるスターチスを飾りたくなります。

スターチスの乾いた質感、かさかさした音は幼いころの麦わら帽子を思い出します。
麦わら帽子に色々な花を飾ってオシャレを楽しんでいた私には、時間がたっても変わらないスターチスをとても不思議に思っていました。

秋の風を感じるようにふわっと生ける

秋色のシックな草を見つけたので、スターチスといっしょにいけてみました。
スターチスは無造作にざっくり、風を感じるようにふわっといけるとナチュラルで美しく仕上がります。

今回は咲きはじめの萩のような、やさしいピンク色のハイブリットスターチスを選んでみました。
よく見るとピンクと黄色がミックスされた星のような形がかわいらしい「妙高」という品種。ちなみにスターチスは花に見えるピンクの部分はガク、黄色の部分が花なのです。

そして、スターチスはお手入れがとっても楽で、まだまだ暑いこの季節にぴったりの花。
まめに水替えやカットをしなくても、そのままの姿でずっときれいに咲いてくれます。(もちろんお手入れをした方が茎の緑も花の色もきれいです!)

 

取りのぞいた花を使って小さな花あしらいを

先ほどの大きくざっくりいけた花あしらいの際に使わなかった、水に浸かってしまう枝の下の方に付いた部分の花や、折れてしまった花を使って小さな花あしらいも楽しみましょう。

花を生けるとどうしても使えない部分が出てきますが、器やシーンを変えると余すことなく楽しむことができます。

写真はベランダに咲いていた千日紅と合わせた、落ち着いた秋色のコーディネート。
処暑らしくガラスではなく、温かみのある陶器の花びんにあしらいました。

 

オブジェのように楽しむ

石のお皿にキャンドルをのせて、スターチスを並べただけの簡単なオブジェを作ってみました。

花のくたっとした姿を見るのはつらいのですが、スターチスであれば水につけなくてもしゃきっとした鮮やかな色と姿を保つことができるので、水を使わないアレンジも可能なのです。

キャンドルの揺らぐ炎を見つめて、夏のストレスを癒すのもいいですね。

処暑は台風も多くやってくる季節。
オブジェとしてキャンドルを飾っておくと、停電の際も大活躍するかもしれません。

 

枯れた姿も楽しむ

ドライフラワーでも楽しめる花の代表、スターチス。
水に生けて茎のフレッシュな緑と花の鮮やかさを十分楽しんだら、ドライフラワーにして楽しみましょう。

今回は籠にたっぷりあしらってクラシカルなイメージに。
花瓶の中でもドライフラワー化するほど丈夫な植物なので、特別なことをしなくても簡単で色鮮やかなドライフラワーができあがります。

ドライになっても鮮やかな色を保てるスターチスは、生花を切らした時の救世主。我が家でも常にストックしています。
水を使わない色鮮やかなアレンジは、電気まわりや猫などのペットがいても安心ですね。

 

定番のスワッグで壁を飾ってもすてき。フランス製のベルベットリボンでシックに仕上げました。

外出もままならないコロナ禍の今。
ぜひ、花を生活に取り入れて季節を感じ、最後までお得に楽しんでみてくださいね。

 

「スターチス」の基本情報

□出回り時期:一年中
□香り:あり(独特の匂いがする品種があります)
□学名:Limonium hybrid
□分類:イソマツ科イソマツ属
□和名:花浜匙(はなはまざし)、庭花火(にわはなび)
□英名:Statice、Limonium、Wavyleaf sea-lavender
□原産地:地中海沿岸

※今回はハイブリットスターチスを使用しました。

スターチスのお話は「旬花百科」でもご紹介しています。
第十六話 「スターチス」

谷中直子

第一園芸入社前から学生バイトで働く生粋の第一園芸人。
百貨店系ショップでいわゆる花屋さんを数年経験後、ホテル店に移動しブライダル関係を十数年経験。店長職を経て本社勤務に。
現在は広報担当としてリリースなどの社外発信を担当。
訪れた場所ごとに足元にはえる草を見て、その違いを楽しむマニアック気質の持ち主。