二十四節気の花あしらい

旬の花を最初から最後の一輪まで
楽しみつくして、
気軽に季節を感じる、
そんな花のあしらいの
テクニックをご紹介。

第四話 秋分の花あしらい「コスモス」

2021.09.23

life

日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきましたが、この「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸で花に携わってきた谷中直子がご紹介いたします。
毎月、旬の雰囲気を楽しめる花をピックアップして、最後の一輪まで楽しみつくす、そんな花のあしらいのお話です。


2021年9月23日から二十四節気は秋分に

今年の秋は急にやってきて移りゆく季節の風情もなかった気がします。そんな時でも夏から秋へ気持ちのスイッチを切り替えてくれるコスモスは、秋分を飾るのにぴったりの花です。

日本の秋の風景にとけこむ繊細な花姿。色合いも花の形も豊富ですが今回はピンク色で八重の花びらがかわいい『ダブルクリックローズボンボン』という品種をチョイスしました。

茎の曲がりを生かしてざっくりいける

ナチュラルなコスモスはシンプルな器にざっくりいけるのが定番。そしてコスモスをいけるポイントはなんといっても無造作感を出すこと。花の高さや顔がそろっているとせっかくの風情やナチュラル感がなくなってしまいます。なんだか難しそうですけどコスモスの細かな葉が絡んで、花どうしの位置を整えやすいので大丈夫です!

美しい花びらや繊細な葉、華奢で折れそうな茎を楽しむにはコスモスだけで楽しむのがおすすめです。
風を感じるように空間をあけながら茎の曲がり方もよく見て楽しんでいけてみましょう。

今回のようにピッチャーなどハンドル付きの器にいける時は全体にまんべんなくいけるよりも、ハンドルと逆の注ぎ口の方に花のボリュームを寄せていけた方が素敵に見えますよ。

枝ものを足して華やかに

コスモスだけでも十分素敵ですが、より秋を感じたい、華やかにしたい時は季節の枝ものと合わせるのもおすすめです。

シックなバーガンディー色の『ベニスモモ』とつややかな赤い実がキュートな『ビバーナムコンパクタ』、そして赤く染めた『パニカム』と合わせてみました。

最初に赤い実を好きな形にいけて、ベニスモモを添えます。それにコスモスを絡めていくと形が作りやすいです。
この場合も顔をそろえないで自然にはえているようにランダムに仕上げましょう。

バスケットでコンパクトに楽しむ

コスモスはどちらかというと水が下がりやすい花。こまめに水を取り替えて、茎の切り口も切り戻しを行うと花持ちがよくなります。お手入れをすることで茎の長さが短くなってきたら、器を替えてみましょう。

コロンとしたバスケットにガラスのコップを入れて、短くなったコスモスとベニスモモをあしらいました。
茎を短くすることでツボミにも水が行き届き、きれいに花を咲かせてくれますよ。

お気に入りのガラス瓶で一輪を楽しむ

同じタイミングで買った花でも枯れるタイミングは違います。最後はまだきれいな花をピックアップして一輪挿しで楽しみましょう。
今日はアンティークのガラス瓶にいけてみました。ガラス瓶の色や大きさはあえてバラバラにしたほうがナチュラルで自然の花姿になじみます。

この場合も花の高さは揃えません。軽やかなものは高く、重たい色やボリュームのものは低くあしらうとバランスがとりやすいですよ。

てづくりブーケを贈る

私は職業柄、花をプレゼントする機会も多いのですが、花は言葉以上に気持ちを伝えてくれるアイテムだと感じています。自分で気持ちを込めて作ったブーケならなおさら。

みなさんもきれいな花を手に入れたら、ブーケにしてお裾分けはいかがですか?
自分で作ったと伝えたら、きっと忘れられない贈り物になるはずです。

花を束ねて、水を含ませたティッシュやキッチンペーパーを茎の切り口に当て、アルミホイルで覆い、薄紙で包めばブーケの出来上がり。あれば麻ひもをリボン替わりに結べば完璧です!

わたしたちプロがブーケを作る際には、さまざまな細かいルールがありますが、みなさんは自由にブーケづくりを楽しんでみてください。

まだまだ続くおうち時間でブーケづくりもきっと楽しいと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

「コスモス」の基本情報

□出回り時期:8~10月
□香り:なし
□学名:Cosmos bipinnatus
□分類:キク科コスモス属
□和名:秋桜(アキザクラ)
□英名:Cosmos
□原産地:メキシコ

谷中直子

第一園芸入社前から学生バイトで働く生粋の第一園芸人。
百貨店系ショップでいわゆる花屋さんを数年経験後、ホテル店に移動しブライダル関係を十数年経験。店長職を経て本社勤務に。
現在は広報担当としてリリースなどの社外発信を担当。
訪れた場所ごとに足元にはえる草を見て、その違いを楽しむマニアック気質の持ち主。