お手入れ手帳

水やりや置き場所、植物との付き合い方に迷った時はこちらをチェック。
暮らしを豊かにする、花のお手入れ方法をご紹介。

プリンセチア

2019.12.01

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☐科名:トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
☐原産地:メキシコ、中央アメリカ
☐英名:princettia

プリンセチアとは、ポインセチアを改良して生まれた品種です。プリンセスのような華やかな印象とポインセチアを組み合わせて「プリンセチア」と名づけられました。

ポインセチアには無い色合いと、小ぶりで可憐な苞が特徴です。ポインセチア同様、色づいた部分は苞と呼ばれ、その中心にある粒状の部分に花が集まっています。

分類/形態落葉・落葉高木
耐寒性弱い
耐暑性やや弱い
開花時期1月~3月

〈置き場所〉
冬の間は屋内で管理します

中南米原産の植物ですので、寒さは苦手です。冬~春は南向きの部屋など明るい室内が向いています。花の咲いている間は10℃以上を確保し、日中は日当りの良い窓辺などに置いてください。暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。また、夜間は窓からの冷気に当てないよう、厚手のカーテンを引くなど、窓際から離して置きましょう。

春、暖かくなってきたら、戸外の日当たりが良く、雨の直接当たらない場所に移動します。夏の高温や直射日光は、葉のしおれや変色を引き起こす原因になるので、涼しい日陰で9月末まで管理しましょう。秋になり、1日の最低気温が15℃を下回る頃になったら、室内に移動し、日当りの良い場所で管理しましょう。

〈短日処理〉
苞を色づかせるため短日処理を行います

プリンセチアは、花芽の形成が短日性である「短日植物」です。昼の長さが短くなると”茎や葉を伸ばす段階”から”苞ができて花芽をつくる段階”へと移行し、その後”苞が色づいて”いきます。夜間に光を完全に遮断することで、綺麗な色づきを楽しむことができます。(この作業を『短日処理』と呼びます)

秋、1日の最低気温が15℃を下回り、室内に取り込む時期になったら行います。日中はしっかりと窓越しの日光に当て、午後5時頃~翌朝の午前8時頃までダンボールの箱などをかぶせて、完全に光を遮断します。
この作業を20日~30日ほど続けていると、花のように美しい色づきの苞ができていきます。ポイントは「光を完全に遮断すること」です。

〈水やり〉
水は株の根元に与えましょう

葉に水がかかると病気が発生しやすく、色づいた苞の部分に水がつくとシミになることがあるので注意しましょう。

土の表面が乾いてきたら、鉢底から出るくらいたっぷりと与えます。気温の暖かい午前中~昼頃にかけて行いましょう。水やりは戸外や水場など水の流れる場所で行い、鉢底から出た水が、鉢皿やセロファン等に溜まったままにはならないように注意します。
葉が垂れてしまうほど乾かしてしまうと、下葉が黄変し落葉する場合があります。反対に、与え過ぎも根腐れなどで枯れる原因となります。

〈肥料〉
苞が色づいている冬の間は与えません

冬は成長が止まっているので、肥料は必要ありません。また、8月の暑い時期も肥料は与えません。

春と秋には、土の上に粒状の化成肥料を与えます。その際、植物に肥料が直接触れないように、鉢の縁の方へ置いてください。水を与える度に徐々に効いていきます。更に2~3週間に一度、液体肥料を与えても効果的です。

〈剪定・植え替え〉
花後に剪定をしましょう

年に2回、春と夏に枝を刈り込み、更に大きく丈夫に育つようにします。

春、4~5月の新芽が伸び始めた頃に、1回目の剪定を行います。
たくさん茂って大きくなった株を、全体の1/3くらいの高さになるまでしっかり刈り込みましょう。太くしっかりした枝3~4本(6号鉢での目安)ほど残して、根元から15cmくらいの高さまで切り詰めます。この時思いきって切らないと、剪定後に伸びる枝が細く長くなり、最終的に重さに耐えられずに折れやすくなってしまいます。
剪定後、一回り大きな鉢に植え替えをします。市販の花鉢用用土に、細かい粒状の化成肥料を混ぜ込んで植えつけます。根の成長が比較的遅い植物なので、根はあまりほぐさずにそのまま植え替えましょう。

夏、7~8月頃は、軽い剪定を行います。
混み合った枝を切り、全体のバランスを整える程度にしてください。