お手入れ手帳

水やりや置き場所、植物との付き合い方に迷った時はこちらをチェック。
暮らしを豊かにする、花のお手入れ方法をご紹介。

山紫陽花

2019.06.01

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☐科名:ユキノシタ科アジサイ属
☐原産地:日本
☐別名:沢紫陽花(サワアジサイ)
☐英名:Hydrangea

山紫陽花はアジサイ属の一種で、日本各地の山地に自生しています。半日陰の湿った林や沢沿いに多いことから、「沢紫陽花」の別名を持ちます。
大きな装飾花や色鮮やかな花色が多いハイドランジア(西洋紫陽花)に比べ、繊細で楚々とした魅力があり、和の趣を感じられる紫陽花です。

分類/形態落葉低木・庭木/多年草
耐寒性普通
耐暑性やや弱い
開花時期6月~9月上旬

〈置き場所〉
強い日差しによる、花や葉の日焼けに注意しましょう

春~夏は、室内の明るく風通しの良い場所へ置きます。強い直射日光(特に西日には注意)と、冷暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。
秋頃涼しくなってきたら、西日の当たらない風通しの良い戸外に移動しましょう。急に直射日光には当てず、徐々に慣らしながら移していきます。
冬もそのまま戸外で管理します。霜や寒風に当てないよう注意しましょう。

〈水やり〉
鉢の形状によって、水の与え方が異なります

①普通鉢

通常の植木鉢と呼ばれる、鉢底に穴のあいたタイプの鉢です。バスケットなどの鉢カバーに入っている場合は、一度鉢を取り出してから行います。
春~夏は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。開花中は植物全体から水が蒸散していくため、こまめに与えると水切れ予防になります。特に夏は水が乾きやすいので、朝夕2回ほど与えると効果的です。

②底面給水鉢

底面給水鉢は、鉢底の受皿に溜めた水を吸い上げて、吸収するように設計された鉢です。受皿に溜まった水量を見ながら水を補給します。受皿ではなく二重鉢タイプのものは、水量が見えにくいので、時折水量を確認して水切れに注意しましょう。

受皿には、2/3程度水が溜まっている状態を満水とし、減ってきたら水を足します。月に1~2回程度、受皿を外し鉢の上部より鉢底から流れ出るくらいたっぷりの水を与え、根に溜まった老廃物を洗い流しましょう。ほどよく水が切れたら再び受皿をセットし新たに水を溜めます。水やりは戸外や水場など、水を流せる場所で行うとよいでしょう。万一、水切れを起こし植物全体がぐったりとしてしまった場合も、同様の手順を行います。

秋~冬は、土の表面が乾いてきたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えます。冬に落葉した後も植物は生きていますので、水切れしないように注意しましょう。

〈肥料〉
花が咲いている間、肥料は必要ありません

春~夏の開花中は、特に肥料の必要はありません。秋になり、涼しくなってから与えます。
ハイドランジアは、土の成分や酸性の雨などによって花色が変化する特性があります。花色によって与える肥料が異なりますので、アジサイ専用の色別肥料(市販)がお薦めです。
落葉する冬場は肥料を控え、芽が動き出す3月頃から再度与えましょう。

〈その他のお手入れ〉
翌年も花を楽しむために剪定をしましょう

翌年なるべく多くの花を咲かせるためには、7月上旬頃までに花を切り落とす必要があります。反対に、自然に枯れる秋頃まで花を楽しまれた場合は、翌年に花が咲かない場合があります。
剪定は、花から2~3節ぐらい下の部分で切り落としましょう。これにより、翌年の4~5月頃に花芽が成長し、6月頃には新しい花が咲きます。

ハイドランジアの中には、花色の変化を楽しめる品種もあります。涼しくなる秋頃まで花をつけたままにしておくと、秋色に変化する花色を楽しむことができます。花色の変化と翌年の花の準備を同時に行いたい場合は、一株のうち比較的大きめの花を花色観賞用として残し、残りの花を翌年用に剪定すると良いでしょう。

植え替えをしましょう

9月中旬頃までに、ひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。
市販のハイドランジアに適した専用用土を使用します。根元を持ち、根や土を崩さないようにそっと引き抜き、元の土をなるべく落とさないように注意して植え替えます。
庭や花壇など、直接地面に植えることも可能です。(=地植えといいます)大きく育てたい場合は地植えが適していますが、土や雨などの影響を受けやすく、翌年花色が変化してしまうことがあります。