お手入れ手帳

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暮らしを豊かにする、花のお手入れ方法をご紹介。

シンビジウム

2019.11.30

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☐科名:ラン科シュンラン属
☐原産地:東アジア、インド、ミャンマー、マレーシア
☐別名:シンビデューム
☐英名:Cymbidium sp.

「シンビジウム」とは、本来はシュンラン属に分類される種の総称です。

日本では東南アジア自生種を品種改良して作られた洋蘭の仲間を指します。寒さに強くて育てやすく、花も大ぶりで見ごたえのあるシンビジウムは、冬の花贈りとしても定番の人気を誇ります。

日本でも1990年代頃までは、洋蘭の中ではシンビジウムが最も流通していたと言われています。

分類/形態蘭/多年草
耐寒性強い
耐暑性弱い
開花時期12月~4月

〈置き場所〉
洋蘭の中では比較的寒さに強い

冬~春は、室内の日当りの良い場所が適しています。温風の当たる場所・暖房の効いた部屋などは花が長持ちしません。最低温度は5℃位、日中は10℃~15℃を目安に管理することでより長く楽しむことができます。冬の夜間は気温が下がるので、窓辺に置く場合は厚手のカーテンを引くか、窓から少し離すなどして冷気に当たらないようにしましょう。

春、暖かくなってきたら、戸外の日当りと風通しの良い場所に移動します。夏は直射日光の当たらない、軒下などの日陰に移しましょう。秋、10月頃までは戸外で育てられます。夜の最低温度が10℃程度になったら室内に取り込みましょう。

〈水やり〉
浸み込ませるように与えます

秋~冬の水やりは、1週間~10日に1度を目安に、表面の植え込み材が乾いたら行います。十分な水やりをするには、鉢より一回り大きいバケツなどに水を張り、鉢ごとゆっくりと沈めます。鉢の中からブクブクと空気が出ますが、そのまま5分くらいつけ、根にたっぷり水を浸み込ませます。
基本的には、小まめに水を与えるよりは、乾いてから時間をかけてたっぷり水を与えることがポイントです。水やりの作業は、根を冷やさないよう、気温の高い午前中に行いましょう。春~夏にかけての生育期には、乾かさないように3~4日に1度はしっかりと水を与えましょう。

暖房などで室内が乾燥している場合は、霧吹きで植物全体に霧を吹き加湿することで、病気や害虫の予防にもなります。

〈肥料〉
春に1回"置き肥"を与えます

4月頃に1回、植え込み材の表面に、粒状の化成肥料を置きます。(これを”置き肥”といいます)更に、5~9月までの生育期には、1週間~10日に1回位の目安で、希釈した液体肥料を水やり時に与えます。秋~冬は肥料を与えません。

〈花がら摘み〉

咲き終わった花は茎の根元からハサミなどで早めに切り取りましょう。枯れた花を長くつけておくと、株が弱る原因になります。

〈植え替え〉

植え替えは2~3年に1回、3月~4月頃に行います。
植え込み材は市販の洋蘭用のもの(水苔やバークなど)を使用します。鉢は一回り程度大きく、通気性の良い素材のものを選びましょう。
根がいっぱいになり、硬くなっています。必ず軍手などを着用し、手を切ったりしないように注意してください。片手で株の根元をしっかり持ち、ハンマーなどで軽く鉢の縁を叩きながら引き抜くと、きれいに抜くことが出来ます。根をほぐしながら、傷んでいたり腐っている根は取り除きましょう。植え替えが終わった後は、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水をあたえましょう。