第四十三話 立冬 「落葉松」
2019.11.07
暮life
秋。山で黄金色のカラマツの林を歩くと
北原白秋の「落葉松」がふと口をついて出ます。
『からまつの林を過ぎて
からまつをしみじみ見き。』
この詩は八連あって最後の
『山川に山がはの音、からまつにからまつのかぜ。』
のところが好きで、
あーそうだな、本当にそうだなぁと
非常に感心してうなづきながら
からまつの林を歩くのでした。
世の中よ、あはれなりけり。
常なれどうれしかりけり。
水上多摩江(画・文)
イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など
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