東京・桜図鑑
2020.03.23
旅travel
2020年3月14日は東京・靖国神社にある染井吉野の標本木が開花。1953年の観測開始以来、最速の開花宣言です。
残念ながら今年はお花見も自粛ムードとあって各地の名所も寂し気な様子……
しかし、桜は染井吉野だけにあらず。
今から約ひと月に渡って次々開花する、都内で見られるちょっと珍しい桜をご紹介します。
今年はWEB上のお花見という方も、花毎・選の桜図鑑で桜の多様な美しさをご堪能ください。
神代曙(ジンダイアケボノ)
原木は神代植物公園にあり、1991年に種苗登録された新しい品種です。
染井吉野系の品種ですが花色はしっかりとピンク色がのり、近くで見ても、遠目に見ても華やか。
染井吉野に代わる品種として期待されてます。
都内で見られる場所:神代植物公園、国立劇場 前庭
開花期:3月下旬(例年)※2020年は3月23日現在8分咲き
撮影地:国立劇場 前庭
小松乙女(コマツオトメ)
上野公園の小松宮彰仁親王銅像前に原木があることからこの名が付いた品種。小ぶりで淡い紅色がかった花が特徴。
前出の神代曙(ジンダイアケボノ)同様、染井吉野の後継品種とされています。
都内で見られる場所:国立劇場 前庭、上野公園など
開花期:3月下旬(例年)
撮影地:国立劇場 前庭
天城吉野(アマギヨシノ)
静岡県三島市・国立遺伝学研究所で大島桜に江戸彼岸を交配して育成された品種。
染井吉野の研究において、多くの木を提供してきた伊豆・天城山にちなんで命名されました。
都内で見られる場所:小石川植物園、皇居東御苑
開花期:4月上旬(例年)
撮影地:小石川植物園
駿河小町(スルガコマチ)
国立劇場前庭に植栽されている駿河桜の種から育てた、国立劇場生まれの新品種。
埼玉県の熊谷中央公園にも国立劇場で公演された歌舞伎「一谷嫩軍記~熊谷陣屋(イチノタニフタバグンキ〜クマガイジンヤ)」にちなんで国立劇場から贈呈された同品種が植樹されています。
都内で見られる場所:国立劇場 前庭
開花期:4月上旬(例年)
撮影地:国立劇場 前庭
帝吉野(ミカドヨシノ)
国立遺伝学研究所で大島桜(オオシマザクラ)と江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)を交配して作られた品種。
白い大輪の一重咲きが特徴です。
都内で見られる場所:小石川植物園、国立博物館庭園
開花期:4月上旬(例年)
伊豆吉野(イズヨシノ)
「天城吉野」「帝吉野」と同じく国立遺伝学研究所で大島桜(オオシマザクラ)と江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)を交配して作られた品種。
白く、大輪の一重咲きが特徴ですが、満開に近づくとだんだんと薄紅色が差していきます。
都内で見られる場所:小石川植物園、国立博物館庭園
開花期:4月上旬(例年)
仙台屋(センダイヤ)
高知県の仙台屋という店の庭にあった桜を牧野富太郎博士が命名。
山桜の栽培品種とされていて、はっきりとした紅色の花と赤味を帯びた葉が同時に出るのが特徴です。
都内で見られる場所:国立劇場 前庭
開花期:4月上旬(例年)
撮影地:国立劇場 前庭
御車返し(ミクルマガエシ)
1本の木に一重と八重の淡紅色の花が同時に咲く、雅な雰囲気漂う華やかな品種。
かつてこの桜を見た高貴な人々が一重か八重かで争い、車を返してみたことからこの名が付いたともいわれていますが、同じ理由から「八重一重」とも呼ばれていたこともあるそうです。
都内で見られる場所:上野・輪王寺(両大師)
開花期:4月中旬(例年)
大島桜(オオシマザクラ)
元は伊豆諸島に自生している野生の桜で、多くの栽培品種の親となりました。
葉の成長と共に白く大きな花が開花。芳香があり、桜餅を包む葉はこの大島桜の葉の塩漬けが使われます。
都内で見られる場所:新宿御苑、上野公園など
開花期:4月上旬(例年)
撮影地:新宿御苑
一葉(イチヨウ)
東京の荒川堤などで栽培され、江戸後期から関東に広まった品種。
花の中心にある1本の雌しべが葉化することから「一葉」という名前が付けられました。
新宿御苑は一葉の名所といわれており、約160本が植樹されています。
都内で見られる場所:新宿御苑、上野公園など
開花期:4月中旬(例年)
撮影地:新宿御苑
鬱金(ウコン)
江戸中期に京都で栽培されていたとされ、その後東京の荒川堤から広まった品種。
淡黄緑色の花が生姜の仲間であるウコンの色で染めた布を思わせるところから、この名が付きました。
よく似た桜に更に緑が濃い「御衣黄(ギョイコウ)」があります。
都内で見られる場所:上野公園、新宿御苑など
開花期:4月中旬(例年)
撮影地:上野公園
関山(カンザン)
八重桜の代表的な品種で、江戸後期に東京の荒川堤から広まりました。
お祝いの席で出される「桜湯」は濃紅色の花を塩漬けにしたものが使われます。
都内で見られる場所:国立劇場 前庭、上野公園など
開花期:4月下旬(例年)
撮影地:国立劇場 前庭
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