花の旅人

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思いがけない花との出会いを楽しむ、花の旅のガイド。

東京・早咲きの桜 3選

2020.02.14

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東京では立春に入ると、早咲きの桜が咲き始めます。
ひと足早く春を感じられる、2月の東京で出会える華やかな3種の桜をご紹介いたします。

品川・荏原神社の「寒緋桜」

ひとつ目は京急本線、新馬場駅近くの荏原神社に咲く「寒緋桜(かんひざくら)」です。
荏原神社は和銅2年(709年)創建されたとされ、東海七福神の中の1社として恵比須を祀る由緒ある神社。
こちらの寒緋桜は例年2月の初旬から中旬に見ごろを迎えます。

寒緋桜のピンクの花は遠くからでも人目を惹く鮮やかさ。
目黒川に掛けられた赤い欄干の橋を渡ると、釣り竿を持った恵比寿様がお出迎え。
頭上近くまで枝垂れるように咲く、2本の大きな寒緋桜を道行く人が次々と足を止めて見上げています。

まだ花の少ないこの時季は何羽ものメジロが夢中で花の蜜を吸っていました。

カンヒザクラ
英名「Taiwan cherry」。沖縄県久米島や石垣島で見られる野生種ですが、台湾、中国南部などから渡来したものが野生化したという説もあります。
関東地方では江戸時代後期から栽培されていたとされます。
ソメイヨシノなどとは違って平らに咲かず、釣鐘型の花が下向きに咲くのが特徴。

日本橋・コレド室町テラス前の「河津桜」

2019年にオープンしたコレド室町テラスの江戸通りに面した場所では「河津桜(かわづざくら)」が、見ごろを迎えています。
早咲きの桜ではありますが、東京での開花は例年であれば3月上旬。
河津桜は開花の予想が立てづらい桜で、2020年は暖冬のせいか、2月中旬にはすでに八分咲きの状態になっていました。

カワヅザクラ
静岡県河津町で1955年頃に発見された桜で、カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑により生じたと考えられています。
早咲きの品種の中では花が大きく、平らに咲き、色むらのある花色が特徴。
河津町では町の花として1960年代から増殖され、河津川両岸などが早春に楽しめる桜並木として有名です。

コレド室町テラス

東京都中央区日本橋室町3丁目2-1
最寄駅:
東京メトロ半蔵門線・銀座線「三越前」駅直結(A8番出口)
JR総武線快速「新日本橋」駅直結
河津桜の開花時期:2月中旬~(気候により異なります)

日本橋・あじさい通りの「おかめ桜」

寒緋桜に続いて咲くのが「おかめ桜(品種名は‘オカメ’)」です。
この桜の並木道があるのが、東京・日本橋の日本橋室町と日本橋本町を結ぶ通称「あじさい通り」、コレド室町2の裏側に面した通りです。
3月に入るとこの通りは、まるでひな壇のぼんぼりを灯したような、華やかなピンク色に包まれます。

初めてこちらのオカメ桜を見つけたのは数年前の日暮れの頃でした。
夕闇に浮かんだ花はピンク色のライトアップかと思ったほど艶やかで、東京で最も多く見かける白っぽいソメイヨシノを見慣れた目にはとても新鮮に映りました。

オカメザクラ
英国に日本の桜を広めた園芸家、コリンウッド・イングラムがカンヒザクラとマメザクラを交配し、1947年に作出した、英国生まれの桜です。
樹形は低木でコンパクト。カンヒザクラ同様、花は平らに咲かず、下向きに咲くのが特徴です。