第五十二話 春分の花絵「桜」
2020.03.19
暮life
2020年3月20日から二十四節気は「春分」に
春分とは真東から登った太陽が真西に沈む日、祝日法では「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」。
そして、春分から夏至に向かって、日は長さを増して行きます。
今回、水上さんが春分をイメージして選んだモチーフは「桜」。
この時季に桜ではない花を選ぶ方が不自然……ということで、花毎の三度目の春分も桜がモチーフに。
「桜」
桜といえば、多くの方がイメージするのは「染井吉野」ではないでしょうか。
日本に植栽されている桜の8割が染井吉野とも言われているほど、ポピュラーな桜ですが、実は桜の栽培品種は600種以上あるといわれています。
それらの桜は開花時期や色、形もさまざまで、東京では1月から2月ごろに咲く「寒緋桜(カンヒザクラ)」に始まり、染井吉野などの桜の時季を経て、4月中旬ごろには八重桜の仲間へと開花のリレーが続きます。
例年であれば、これから各所でさくら祭りが行われる時ですが、今年はほとんどの場所で開催が中止に……
しかし、染井吉野のお花見には間に合わずとも、追って咲く八重桜のころにはこんな桜もあるのだな、と平穏な気持ちで、新たな桜の魅力に気づいていただけたらと願う今日この頃です。
花毎の花言葉・桜「時のくすり」
一般的に桜の花言葉とされているのは「精神の美」「優美な女性」。
一斉に咲いて、散る桜のイメージが日本人のメンタリティを感じさせることに由来したような花言葉です。
「時のくすり」と付けたのは、いつの間にか季節が巡り、いつの間にか桜が咲き、時が経つことで癒えたことに気づく──
桜が告げる、静かなしるしを花言葉に託しました。
文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
水上多摩江
イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 琵琶湖の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など
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