第五十三話 清明の花絵「イングリッシュデージー」
2020.04.03
暮life
2020年4月4日から二十四節気は「清明(せいめい)」に
清明とは清浄明潔(せいじょうめいけつ/しょうじょうめいけつ)を略した言葉で、全てのいきものにいきいきとした生命力がみなぎってくる、という意味です。
「イングリッシュデージー」
さまざまな品種があるデージーの原種で、暖地では一年草ですが寒冷地では多年草となり、こぼれ種で増える丈夫な草花です。
和名では「雛菊(ヒナギク)」と呼ばれる花で、花が長持ちすることから「延命菊」「長命菊」といった異名も。英名のDaisyは花の形が太陽に似ていることから、Day’s eye=太陽の目に由来するという説もあるようです。
花占いの花
デージーはエジプト王朝時代から装飾に使われていた、古くから愛されてきた花のひとつです。また、ヨーロッパでは広く自生していることから、デージーを使った占いが行われていました。「恋のものさし(Measure of love)」と呼ばれるものは、花びらを1枚ずつ「好き~嫌い」と引き抜いて占ういわゆる花占いですし、一度に9つのデージーを踏んだら春が来たしるし、といった春のシンボルであることが伝わる占いもあったようです。
さて、一般的なデージーの花言葉は「無邪気」「希望」「平和」など。厳しい冬を乗り越えて、春には一面に咲き続ける姿から、このような言葉が付けられたのではないでしょうか。
花毎の花言葉・デージー「いつもここに」
「いつもここに」とは、人知れず静かにその時を待ち、ずっとそこに佇んでいたように現れる──
そんなデージーのしなやかな逞しさを表した言葉です。
文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
水上多摩江
イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など
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