第十三話 「フリージア」
2019.03.01
知study
優しい香りと明るい色で春の訪れを告げる花
フリージアの基本情報
□出回り時期:11月~4月
□香り:あり
□学名:Freesia refracta
□分類:アヤメ科フリージア属
□英名:Freesia
□和名:香雪蘭(こうせつらん)、浅黄水仙(あさぎすいせん)
□原産地:南アフリカ
八重咲きフリージア「ダイヤモンドスター」。フリージアとしては珍しい1m近い長さ。群馬県・佐藤和義さん作。
黄花の代表的な品種「アラジン」
フリージアの花言葉
「希望」「あどけなさ」「純潔」「親愛の情」
黄「無邪気」黄色「Joy(喜び)」「Friendship(友情)」
白「あどけなさ」「Purity(純粋)」「Innocence(純潔)」
紫「憧れ」
赤「純潔」「Passion(情熱)」
ピンク「Motherly love(母の愛)」
珍しいサーモンピンクのフリージア「クレア」
フリージアのお手入れ
一般的に球根の花は花持ちが長くありませんが、フリージアは水が揚がりやすく、花持ちが良い花です。
花を入れる器は、清潔な物を使ってください。汚れているとバクテリアが発生して、花や茎が傷みやすくなってしまいます。水が濁ったら(できればその前に)水を替えるタイミングです。花の栄養剤があれば規定分量を加えますと、花が大きく鮮やかに咲いて、水の濁りも遅くなります。
※切り戻しを兼ねて水替えを小まめに行うと、より長く花が楽しめます。
花を飾る場所は涼しい場所がおすすめです。エアコンの風や直射日光の当たる場所や、室温が高い場所は花が乾燥してしまい、つぼみも開かず、日保ちが悪くなります。
フリージアは花が弓のように付いていて、順々に花が咲きます。
咲き終わった花をガクから摘み取ることで、最後の小花まで長く楽しめます。
名前の由来
フリージアを南アフリカで発見した植物学者のエクロン(C・F・Ecklon)が、仲間の植物学者であり医師のフレーゼ(F.H.T. Freese)との友情の記念として名付けました。
そこから「友情」や「信頼」といった花言葉が生まれたと思われます。また、海外で白いフリージアは純粋、信頼、を象徴する花として結婚式で人気です。
鮮やかなオレンジが珍しい八重咲きフリージア「マンダリン」
香りと色の関係
赤やオレンジ色は甘酸っぱい匂いがほんのりと。紫系の花は最も香りが弱く、草のような香りが微かにします。
また、フリージアには一重咲きと八重咲き品種がありますが、一重咲きの方が香りは強く、花持ちは八重咲きの方が良いようです。
八重咲きフリージア「アンコナ」
豊富なカラーバリエーションが揃う、2012年に誕生した石川県のオリジナル品種「エアリーフローラ」シリーズの「エアリーピーチ」と「エアリーピンク」。
香りが良いのでフリージアの花を原料にした香水がありそうに思えますが、実は精油がほとんど採取されていないため、「フリージアの香り」とされる香水はフリージアをイメージして作り出された物となるようです。
葉を付けずに枝切りで出荷する「ユーロスタイル*」を得意とする、埼玉県・高成園の八重咲きフリージア「ボランテ」。
*ユーロスタイルは花の成長サイクルに従うことで、ストレスが掛からないため、フリージアが持つボリューム感、色、香りのパフォーマンスを最大限に引き出せる栽培方法。
ダブル・ファンタジー
この「ファンタジー」という品種は1960年代に世界で最初に育成された、八重咲きのフリージア。発表された当時は話題を呼んだ花だったそうです。
英語で八重咲きを“Double-flowered”と呼ぶことや、オノ・ヨーコとの共作ということ、またはフリージアの花言葉の意味もレノンは知っていて、このタイトルを名付けたのかもしれません。
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