第二十八話「宝石のようなアジサイ」
2024.06.21
知study
街の中にも彩り豊かなアジサイを見かける季節に、大田花きにも各地の生産者による、切り花用として栽培されたカラフルでユニークなアジサイが集まりました。
まるで宝石のように、美しく複雑な表情を見せるアジサイをご紹介します。
※今回、アジサイの「花」と呼んでいる部分は、ガクが変化した「装飾花」を指します。本来の花は装飾花の中心にある「真花」です。蕾は粒状で、開花するとごく小さな花が咲きます。
フレッシュピンクグリーン
淡いサーモンピンクの花弁に、小さなペリドットを置いたような、ユニークでかわいらしいアジサイです。ところどころに鮮やかなピンクが表れているのがチャームポイント。
ラブリディフレッシュグリーン
まるで内側から発光しているような、ペリドットカラーが印象的なアジサイ。
ごきげんよう
色が違う2本の花のように見えますが、実は1本の枝に2輪が付いています。ひとつはフレッシュな水色の花、もうひとつは水色の花が咲き進んで翡翠色に変化したもの。
グローイングアルプス(パープル)
こちらも1本の枝に色変わりの2輪が付いたもの。透明感のある紫色の花(右)が咲き進むと、アンティーク調の複雑な色(左)に変化していきます。
翠玉(すいぎょく)
直径約20cmの大きなアジサイで、名前の通り翡翠のような花色とアクアマリンのような水色の花が入り混じった品種です。
バニラ・ホワイト・アンティーク
それぞれ異なる品種のアジサイです。一見同じにように見える白色のアジサイですが、並べてみると花弁の色や形、本来の花の色、密集度が違うことがわかります。
日を経てアンティークカラーになったアジサイは、ニュアンスカラーの花との相性が抜群です。
グローイングアルプス
鮮やかなピンクの花弁の中に、ところどころオパールをひと刷毛したような、見ごたえのある品種。一輪でもブーケのような雰囲気があります。
パープルアンティーク
こちらはアンティークグリーンの花色の中にアメシストのような色の花が入り混じったもの。
複色タイプ
日が浅いころは色づきがごく淡く、日が経つにつれて花弁の縁のピンクや紫の色づきが濃くなるタイプです。複色タイプのアジサイはこの写真のように花弁の外側が色づくタイプもあれば、反対に内側が色づき、外側が白っぽくなるタイプなどもあります。
アジサイの基本情報
□出回り時期:通年(最盛期は 6 月~9 月上旬)
□香り:なし
□学名:Hydrangea macrophylla
□分類:アジサイ科アジサイ属
□和名:紫陽花
□英名:Hydrangea
□原産地:日本 他
□花言葉:家族、団らん など
花毎でご紹介しているアジサイのお話
水上多摩江さんが描いた額アジサイ
二十四節気の花絵 第五十七話 芒種の花絵「額紫陽花」
日本の行事・室礼研究家、広田千悦子さんによる紫陽花守り
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アジサイを飾って楽しむコツ
第十三話 芒種の花あしらい「アジサイ」
第一園芸のトップデザイナーが、アジサイを使って沖縄の海に見立てる
夢の花屋 第六話 「恩納村の海に見立てる」
取材協力:株式会社 大田花き、アキバナーセリー(山形県)、アグリ・ベイス(群馬県)、青木園芸(千葉県)、TKナーセリー(山梨県)、カラフルファーム(長崎県)
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