旬花百科

日本一の花市場、大田市場に集まる旬の花や最新品種をご紹介。
知っていると花選びが楽しくなるお話。

第十六話 「スターチス」

2020.08.09

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「雲竜」「白竜」「陽春」

人気復活!流行りの花

スターチスの基本情報
□出回り時期:通年
□香り:あり(独特の匂いがする品種があります)
□学名:Limonium sinuatum
□分類:イソマツ科リモニウム属
□和名:花浜匙(はなはまさじ)、庭花火(にわはなび)
□英名:Statice、Limonium、Wavyleaf sea-lavender
□原産地:地中海沿岸

スターチスの花言葉

「変わらぬ心」「永遠にかわらない愛」「永久不変」「途絶えない記憶」
「I miss you」「Remembrance(記憶)」「Sympathy(共感)」「Success(成功)」など

「金春」「山吹」「浪漫」

スターチスはこんな花

花も茎もカサカサとした質感が特徴の花です。そのまま乾燥させても色が変わりづらいので、ドライフラワーにもよく使われます。
歯ブラシのような姿からブラシとも呼ばれますが、花のように見えるのは「苞」で、本来の花はその上に白や黄色などの小さな花を咲かせます。
1980年代ごろにドライフラワーとして人気があり、花持ちの良さや鮮やかな発色から、仏花の花束に加えられることが多い花でもあります。
現在では小花タイプやアンティークカラーなどの品種が増えたことから、再び人気となり、ウエディングブーケなどにも使用されるようになりました。

「喝采」「紅小町」「電光赤華」「斑鳩」

スターチスの語源

本来の名前は「リモニウム」ですが、まだまだ「スターチス」という名前が一般的です。
そのスターチスの名は下痢止めの薬草だったことから、ギリシャ語の「statizo(止める)」に由来するといわれています。
和名の「浜花匙」は、浜辺によく咲くことと、花の形が匙(スプーン)に似ていることから付けられたとされています。

「きゃめる」「陽春」「南十字星」「吉祥」

2つのスターチス

切り花として出回るスターチスには大きく2つの品種があります。
小ぶりでギュッと詰まった花(苞)と、細い茎、アンティークカラーやニュアンスカラーの色が豊富なタイプが「ハイブリットスターチス」です。(これより上にある画像がハイブリット系です)

もうひとつは従来からある「シュニアタ」という、花(苞)が大きく、平たい茎が特徴です。ビビッドな色が多いスターチスでしたが、最新品種はアンティークカラーなど、雰囲気のある色合いも増えてきました。(これより下にある画像がシュニアタ系です)

「タスマニアオレンジ」「ビンテージグレープ」「ピンクソロモン」

「ブルースカイ」「アイスブルー」他

スターチスのお手入れ

水あげ、花持ちがとても良い花です。特別な水あげなどは不要です。
(スターチスだけであれば)水を入れなければそのままドライフラワーになります。

「アプリビューティー」他


花毎でご紹介しているスターチスのお話

気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニック
二十四節気の花あしらい 第三話 処暑の花あしらい「スターチス」

取材協力:株式会社 大田花き