第十話 「ストック」
2018.11.05
知study
初冬の訪れを告げる、香りの花
ストックの基本情報
□出回り時期:10月~5月
□香り:あり
□学名:Matthiola
□分類:アブラナ科 アラセイトウ属
□和名:紫羅欄花(あらせいとう)
□英名:Stock
□原産地:南ヨーロッパ
「アーリーアイアンマリン」
ストックの花言葉
「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」
「lasting beauty(永遠の美)」「happy life(愛情の絆)」
「contented existence(満ち足りた暮らし)」
ピンク「豊かな愛情」
白「思いやり」「ひそやかな愛」
紫「おおらかな愛情」
黄「さびしい恋」
「ホワイトカルテット」(スプレー咲き)
ストックのお手入れ
ストックは花持ちが良い花ですが、ムレに弱く、水が濁りやすいです。
また、名前の由来に反して、花や葉は折れやすいので、丁寧に取り扱ってください。
生ける時は葉が水にふれないように、水に浸かる部分の葉は全て落します。水替えはなるべくこまめに、その都度少しづつ茎を切ってください。茶色く傷んだ花や葉はも取り除きましょう。しっかり水が揚がっていれば、先端のつぼみまで咲いて、より長く花が楽しめます。
「ディープローズカルテット」(スプレー咲き)
名前の由来
和名の由来はポルトガル語で葉がラシャに似た毛織物「raxeta(ラセイタ)」 に似ていることから、「葉ラセイタ」→「アラセイタ」→「アラセイトウ」と変化し、「紫羅欄花(あらせいとう)」、となったとされています。
「朝波」
ストックの歴史
「イエロースパーク」(スプレー咲き)
エディブルフラワー
「チェリーカルテット」(スプレー咲き)
香り
ストックの香りはカーネーションの香りと似ていて、クローブ(丁子)のスパイシーな香りと、ほのかに甘いパウダリーな香りが合わさった「オイゲノール」と呼ばれる強い芳香が特徴。この「オイゲノール」は、ほどんどの香水に含まれる香りの要素とされ、ストックの香りはこの成分が50%近くも含まれていることが分かっています。
切花品種の場合、スプレータイプ(枝分かれしたもの)よりスタンダードタイプの方が香りが強く、一重咲きよりも八重咲きの方が香りが強い傾向にあります。
「アイアンホワイト」
一重咲き・八重咲き
ストックには「一重咲き」と花びらの数が多い「八重咲き」がありますが、基本的に八重咲きには種ができません。これは、雄しべ、雌しべの両方が花弁しているためです。
ではなぜ八重咲き品種が存在するのかと言うと、一重咲きの種を蒔くと、約半分(品種によってはそれ以上)が八重咲きとなり、それを選別しているからなのです。
この見分け方は幼苗(ようびょう)時に生育の違いで見分けますが、はっきりとした違いがないため、熟練を要します。
「ピーチカルテット」(スプレー咲き)
ストックを贈る
しかし、素晴らしい香りがするストックはギフトにもぴったり。
他の花と組みあわせるよりも、1色だけのストックをたっぷりと束ねると、この時期ならではの洗練されたブーケになります。
取材協力:株式会社 大田花き、庄内花き生産組合連絡協議会
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