週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.18 葉牡丹 ──魅力を再発見

2026.01.08

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


小正月に縁起を添える

お正月気分もひと段落つくころですが、暦の上ではまだお正月が続いています。
地域によっては、1月15日を〈小正月(こしょうがつ)〉と呼び、もう一つのお正月として受け継いできました。
お正月から飾っている葉牡丹も、この時季ならではの表情が感じられます。
そんな葉牡丹を、今日は少し違った視点で楽しんでみましょう。

■ 主役の花材《葉牡丹》
葉牡丹(ハボタン)は、幾重にも葉が重なる姿が〈福が重なる〉ことを連想させ、古くから縁起のよい植物とされてきました。鮮やかな葉色が牡丹の花を思わせることから「葉牡丹」という名前がついています。とても日持ちがよいのも魅力。
紫系もありますが、今回はふんわりと優しい印象をつくるクリーム色の葉牡丹を使用しています。

「葉牡丹」の基本情報
□鑑賞時期:11月~3月
□香り:なし
□学名:Brassica oleracea var. acephala
□分類:アブラナ科 アブラナ属
□別名:ぼたんな
□英名:Ornamental cabbage、 Ornamental kale
□原産地:ヨーロッパ
□花言葉:祝福、利益 など

■ 組み合わせる花材《松》
お正月に欠かせない代表的な花材です。とても長持ちするため、今の時期でも美しさを保っているはず。
飾り方を少し変えて、新鮮な表情を楽しんでみましょう。

■ 花器について
厚手のガラスに色が施された、コンパクトな一輪挿しを使用しました。花器自体に重みがあるため、松や葉牡丹のように頭が大きい花材でも安定して生けられます。

■ 生け方のコツ
・松は花器と1:1の長さにするとバランスが取りやすいです。
・水に浸かる部分に葉が残る場合は、取り除いておきましょう。
・松の枝は松脂(まつやに)が付いているため、ビニール手袋などを着用して扱うと安心です。
・葉牡丹は花器の口ぎりぎりの長さにカットすると、安定した見た目になります。


コロンとした形を楽しむ

一輪でもボリュームのある葉牡丹は、シンプルに飾るだけでその可愛らしさが引き立ちます。
花器と 1:1 の比率を意識し、8の字をイメージして向きを少し調整すると、より生き生きと見えます。

■ 花器について
丸い花器を使うと、葉牡丹の丸いフォルムがより際立ちます。今回使用した花器は縦横10cmほどのコンパクトサイズ。丸みのある小ぶりな花器は、花材とのバランスがとりやすく、とても使い勝手がよい形です。


ひと工夫で大変身

まるでバラのように見えますが、こちらも葉牡丹です。
柔らかなクリーム色の葉に合わせて、すりガラスの花器を選びました。
一見すると葉牡丹とは気づかない――そんな意外性のある楽しみ方ができるのも、この花材の魅力です。

■ 生け方のコツ
葉牡丹の印象を変えるのはとても簡単。外側のグリーンの葉を数枚落とすだけで、花のような雰囲気へと早変わりします。
これは葉が傷んできたときにも使える便利なテクニックです。

1月の担当:久米井 夏実(第一園芸 フローリスト)
お正月の名残を感じる葉牡丹は、少し手を加えるだけで驚くほど表情が変わります。そんな意外性や、寒さが厳しい時期に温もりを感じさせる素朴な佇まいと美しい色合いが、私がこの花を好きな理由です。暮らしの中の小さな彩りとして楽しんでいただけたら嬉しいです。

第一園芸 日本橋店

東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)

第一園芸 全店舗情報
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第一園芸 オンラインショップ
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子