週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.23 パンジー──冬と春をつなぐ花

2026.02.12

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


可憐な花をスタイリッシュに

二月も半ばを迎え、日差しの中にわずかなやわらかさを感じるころ。
足元に目を向けると、寒さに耐えて縮こまっていた花がふんわりとゆるみ、春を待つ気配を伝えてくれます。

そんな、冬と春をつなぐように咲く花がパンジーです。
花壇や鉢植えで親しまれる身近な存在でありながら、澄んだ色合いと繊細な花弁が、ひとつひとつ異なる表情を見せてくれます。

今週は、甘くなりすぎず、組み合わせ次第で洗練された印象を楽しめるパンジーを、スタイリッシュに楽しんでみましょう。

■ 主役の花材《パンジー》
パンジーという名前は、フランス語で「思い」を意味する パンセ(pensée) に由来します。
うつむくように咲く花姿が、物思いにふける人の表情に見えたことから名づけられたといわれ、可憐さの奥に静かな詩情を感じさせる花です。

よく似た花にビオラがありますが、両者は同じスミレ科スミレ属の仲間で、植物学的に明確な境界があるわけではありません。
一般的には、花が大きく存在感のあるものをパンジー、小輪で花数の多いものをビオラと呼び分けていますが、個性的な品種が年々増加している近年では、まとめて「パンビオ」と呼ばれることもあります。
また、切り花として楽しめる丈の長いパンジーも出回るようになり、今回はそうした品種を使用しています。

「パンジー」の基本情報
□開花期:10月下旬~5月中旬
□香り:あり
□学名:Viola × Wittrockiana
□分類:スミレ科スミレ属
□別名:三色菫 (さんしょくすみれ)
□英名:Pansy
□原産地:ヨーロッパ
□花ことば:冬の宝石、もの思い など

■ 組み合わせる花材《アンスリウムの葉》
花が人気のアンスリウムですが、葉も美しく、花材や観葉植物として出回っています。品種によってシルエットはさまざまで、丸みのあるものから細長いものまで表情は豊か。
今回は、白い葉脈が印象的な「アンスリウム・クラリネルビウム」を使用しました。
とても長持ちするため、一緒に飾った花が終わったあとも、この葉は取っておくのがおすすめです。

■ 花器について
アンティーク加工が施された、鉄製の花器を使用しました。
重厚感のある花器は、瑞々しい春の花と合わせることで、お互いの魅力を引き立ててくれます。

■ 生け方のコツ
・パンジーは葉が多いと水が下がりやすいため、水に浸かる部分や大きな葉はあらかじめ取り除きます。こうすることで、生けたときに花が引き立ちます。
・アンスリウムの葉を先に挿すと、全体のバランスが取りやすくなります。
・アンティーク調の花器は水漏れすることがありますので、取り扱いには注意しましょう。


表情の違いを楽しむ

前半で丈の長いパンジーの姿を楽しんだあとは、花そのものに注目して生け替えてみましょう。
ここでは、色や形の異なる3輪を選び、同じデザインの一輪挿しに生けました。
鉢植えのパンジーから花を摘み取ったときにも、おすすめの楽しみ方です。

■ 花器について
あえて同じ形の一輪挿しを3つ使用しました。気に入った花器は全く同じものでも、いくつか持っていると、生け方のバリエーションが広がります。
同じ形でなくても、色や高さが似ているものを組み合わせるのもひとつの方法です。

2月の担当:村上 功悦(第一園芸 フローリスト)
パンジーは遠目で見ると素朴な印象がある花ですが、花はとても繊細で、ドラマティックです。
バスケットなどにざっくり生けても素敵ですが、今回は組み合わせる花材や花器を工夫して、スタイリッシュな雰囲気を表現してみました。
冬と春の間ならではの気配をぜひくらしにも取り入れてみてください。


花毎でご紹介しているパンジーのお話
・二十四節気の花絵 第六十八話 小雪の花絵「パンジー」

第一園芸 日本橋店

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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子