週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.22 白木蓮 ──つぼみの魅力

2026.02.05

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


野の趣をくらしに

寒さが厳しい時季ですが、暦の上では〈立春〉を迎え、静かに春がはじまるころです。
まだ寒さは残るものの、自然は確かに次の季節へと歩みを進めています。

早春を告げる花のひとつが、白木蓮。
葉が出る前、澄んだ空気の中で白い花を凛と咲かせる姿は、
春のはじまりを知らせる象徴のようです。

そんな白木蓮を、今日は少し季節を感じる視点で楽しんでみましょう。

■ 主役の花材《白木蓮(はくもくれん)》
白木蓮(ハクモクレン)は、早春に葉よりも先に花を咲かせる落葉高木です。
大ぶりで白い花を天に向かって咲かせる姿は、春の訪れを告げる象徴として親しまれてきました。
同じモクレン属の紫木蓮に比べ、ハクモクレンは内外ともに白く、よりのびやかに開くのが特徴です。立春の頃に咲き始め、季節の節目を感じさせてくれます。
今回は、つぼみの状態のハクモクレンを花材として使用しています。
つぼみの切り枝は開花に至らないこともありますが、かたく閉じたつぼみの凛とした姿は満開とは異なる魅力があります。
そんなこの時季ならではの美しさを楽しみましょう。

「白木蓮 」の基本情報
□出回り時期:2月
□香り:あり
□学名:Magnolia denudata
□分類:モクレン科 モクレン属
□別名:ハクレン(白蓮)、マグノリア・デヌダータ など
□英名:Yulan magnolia
□原産地:中国
□花ことば:高潔な心、気高さ など

■ 花器について
シルバーの産毛で覆われた白木蓮のつぼみの質感にあわせて、すりガラスの一輪挿しを選びました。
同じ質感で、形が異なる3つの花器を使用することで、少ない本数でも広がりがあって、立体的に花を見せることができます。
ここでは、同じシリーズの花器を使用しましたが、例えば透明なガラスで高さが異なるものなど、お手持ちの花器を組み合わせてみてください。

■ 生け方のコツ
・白木蓮のような枝ものの場合、切り口は斜めにカットした上に、切り込みを入れると、水が吸い上げやすくなります。
・長い枝は、枝分かれしている部分で切り分けて使います。(まずは長いままシンプルに生けて楽しむのもおすすめです)
・枝の長さと花器は、およそ1:1の比率を意識していけるとバランスがとりやすくなります。


早春の瑞々しさを生ける

後半は白木蓮をドラマティックに楽しみましょう。
一輪挿しで楽しんだ、白木蓮の枝の中から、もっとも個性的な一枝を選んで、《アリウム コワニー》を添えました。
水盤を使い、水面も表現の一つになるようなイメージで生けます。

■ 組み合わせる花材《アリウム コワニー》
《アリウム コワニー》は、白い小花と、鮮やかな緑色の茎が特徴のヒガンバナ科 ネギ属の球根植物です。細くしなやかな茎の先に、星形の花を軽やかに広げる姿が印象的。
控えめながらも凛とした美しさをもち、春の始まりから季節が進む気配を静かに伝えてくれる花です。

■ 花器について
水面がアクセントになるアレンジなので、直径30cmほどの陶器の水盤を使用しました。
こうした花器でなくても、お皿や、水面が見えるような器でも代用できます。

■ 生け方のコツ
・白木蓮の枝に切り込みを入れ、器の縁に挟んで固定します。水にしっかり浸かりませんので、数日楽しむ程度に留めましょう。
・白木蓮の枝の隙間から、アリウム コワニーを挿します。
・アリウム コワニーは茎が曲がっているものの方がより表情豊かに見えます。

2月の担当:村上 功悦(第一園芸 フローリスト)
白木蓮のつぼみがもつ、これから訪れる季節を静かに待つ姿に惹かれて、このアレンジメントを考えました。
花がすべて開ききらないからこそ生まれる緊張感や余白も、今の季節ならではの魅力だと思います。
少しずつ変化していく表情を、日々の中でゆっくり楽しんでいただけたら嬉しいです。

第一園芸 日本橋店

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営業時間 11:00~19:00
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子