週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.24 ラナンキュラス ──春色をあつめて

2026.02.19

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


軽やかな色とユニークな姿を楽しむ

暦の上では「雨水(うすい)」に入り、寒さが少しずつゆるみはじめるころです。
まだ空気は冷たいものの、日差しの中には確かに春の気配が感じられるようになります。

そんな季節の変わり目に手に取りたい花が、ラナンキュラス。
幾重にも重なる花びらと、光を含んだようなやわらかな色合いは、冬の名残と春の始まり、そのどちらにも寄り添う存在です。

今週は、春色をまとったラナンキュラスを主役に、軽やかな色とユニークな姿を生かしたアレンジを楽しんでみましょう。

■ 主役の花材《ラナンキュラス》
繊細な花びらが光を受けてきらめくラナンキュラス。
多彩な表情を持ち、色や姿によって印象が大きく変わる、奥行きのある花です。

ラナンキュラスは、地中海沿岸から中東にかけて自生していた植物を起源とし、16世紀頃にヨーロッパへ伝わりました。
品種改良が進むにつれ、花弁の重なりや色の幅が広がり、現在のような華やかで表情豊かな姿へと発展してきました。

近年は、バラと見間違えるような花姿や、つややかな花弁を持つものなど、色も形もさまざまな品種が登場し、好みのラナンキュラスを探す楽しみも広がっています。
今回は、幾重にも重なったフリルの花弁がボール状に花開く《ラナンキュラス ポンポンルナ》という品種を使用しました。

「ラナンキュラス」の基本情報
□ 出回り時期:12月~4月
□ 香り:なし(一部香る品種あり)
□ 学名:Ranunculus asiaticus
□ 分類:キンポウゲ科 キンポウゲ(ラナンキュラス)属
□ 別名:花金鳳花(はなきんぽうげ)
□ 英名:Ranunculus
□ 原産地:中近東~ヨーロッパ南東部
□ 花ことば:千のしあわせ、とても魅力的 など

■ 組み合わせる花材《アンスリウムの葉》
vol.23でパンジーと組み合わせた「アンスリウム・クラリネルビウム」を使用しました。
アンスリウムの葉はとても長持ちするため、今回のように組み合わせる花を変えたり、葉だけを観葉植物のように楽しんだりするのもおすすめです。

■ 花器について
鮮やかな黄色の花が映える、ビビッドな色合いが印象的な花器を合わせました。
多色使いの花器は使いづらそうに感じられるかもしれませんが、色鮮やかな花と組み合わせることで、相乗効果が生まれ、お互いの魅力を引き立ててくれます。

■ 生け方のコツ
・ラナンキュラスはすべて同じ長さにせず、高低差をつけて生けます。
・アンスリウムの葉を先に挿すと、全体のバランスが取りやすくなります。
・花と花器の鮮やかな色を、アンスリウムの葉が調和させる役割を果たします。


響き合う色を楽しむ

前半でラナンキュラスの全体の姿を楽しんだら、今度は花色に注目した生け方をしてみましょう。
ポンポンルナの鮮やかな黄色とグリーンを引き立てる、青紫の《アリウム ブルーパフューム》に、曲がりくねった姿がユニークな《アリウム クレイジービーンズ》を添えました。
フレッシュな色合いと伸びやかなフォルムに、心が踊るような春の花合わせです。

■ 組み合わせる花材《アリウム ブルーパフューム》
アリウムは、ヒガンバナ科 ネギ属の球根植物で、茎の先に小さな星型の花が集まり、ボール状に咲くユニークな植物です。
今回使用した《アリウム ブルーパフューム》は、細い茎の先に小花がふんわりと集まる、小ぶりなタイプ。
ありそうでない、透明感のある青紫の花色が魅力です。

■ 組み合わせる花材《アリウム クレイジービーンズ》
曲がりくねった茎の動きが特徴的な《アリウム クレイジービーンズ》。
こちらもアリウムの一種で、フォルムそのものが主役となる花材です。
一見すると扱いづらく感じるかもしれませんが、ひとつ加えるだけで躍動感が生まれ、全体の印象がぐっと引き締まります。

■ 花器について
いきいきとした花色を引き立てる、ターコイズブルーの花器を選びました。
直方体の花器は奥行きが浅いため、少ない本数でも花が固定しやすく、一輪挿しのような感覚で使うことができます。

生け方のコツ
・ラナンキュラスとアリウム ブルーパフュームは、花器の口に花首を軽く乗せるように生けます。
・最後に、アリウム クレイジービーンズを上へ伸びるイメージで挿します。
・ラナンキュラスは花色を1色に絞ると、全体がまとまりやすくなります。(花の大きい品種の場合は、一輪だけでも十分に存在感が出ます)

2月の担当:村上 功悦(第一園芸 フローリスト)
ラナンキュラスやアリウムには、さまざまな種類がありますので、これまで手に取らなかったような品種にも、ぜひ目を向けてみてください。
個性的な花材を組み合わせることで、思いがけない表情が生まれます。
自由な発想で花合わせを楽しみながら、新しい魅力を見つけていただけたら嬉しいです。


花毎でご紹介しているラナンキュラスのお話
・二十四節気の花絵 第九十話 啓蟄の花絵「ラナンキュラス」
・二十四節気の花あしらい 第二十一話 立春の花あしらい「ラナンキュラス」
・旬花百科 第二十七話 「ラナンキュラス ラックス」

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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子