vol.25 リューココリーネ ──春のよろこび
2026.02.26
暮life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。
こころ躍る姿と香り
2月ももうすぐ終わり、春本番の季節がやってきました。
二十四節気をさらに細かく分けた七十二候では、この時期を草木が芽吹き始める「草木萌動(そうもくめばえいずる)」といいます。
そんな芽吹きの気配を室内にも運んでくれる花として、今週はリューココリーネを選びました。
すらりとした佇まいが軽やかで、やさしい甘い香りとともに、空間に春らしい空気を添えてくれます。
これから訪れる本格的な春を思いながら、身近な場所で小さな季節の変化を楽しんでみましょう。

■ 主役の花材《リューココリーネ》
リューココリーネは、細長い花茎の先に星形の小花をいくつも咲かせる、軽やかな存在感が魅力の春の花です。
花色は青や紫、白、複色など幅広く、品種ごとに異なる繊細なニュアンスが楽しめます。
南米・チリのアンデス山脈沿いを原産とする球根植物で、日本で切り花として流通し始めたのは1990年代。
比較的歴史は浅いものの、その優美な姿と香りから近年注目が集まり、春の花として人気が高まっています。
香りもこの花の大きな特徴で、品種によっては桜餅を思わせるやさしい甘さや、すっきりとしたフローラルノートがふんわりと広がります。
華奢な見た目に反して花持ちがよい点も、日常に取り入れやすい理由のひとつです。
今回は、紫と赤のコントラストが美しく、和洋どちらの空間にも馴染む「カラベル」という品種を選びました。
「リューココリーネ」の基本情報
□出回り時期:1月~5月
□香り:あり
□学名:Leucocoryne
□分類:ヒガンバナ科 リューココリーネ属
□別名:リューココリネ、レウココリネ、レウココリーネ
□英名:Glory-of-the-Sun
□原産地:アンデス山脈
□花ことば:「温かい心」「信じる心」

■ 組み合わせる花材《ダイアンサス》
ナデシコやカーネーションが同じ仲間の 「テマリソウ(手毬草)」 とも呼ばれる、ダイアンサスを組み合わせました。
マリモのようなユニークな姿がさまざまな花を引き立ててくれる名脇役で、使い方次第でモダンにも和風にも表情を変えます。

■ 花器について
まるで鏡のような、モダンなデザインの一輪挿しを使用しました。
スタイリッシュで、難しそうに感じられるかもしれませんが、室内の景色を写し込んで馴染むため、置く場所を選びません。
また、同じタイプのサイズ違いの花器を使うと、少ない本数でも立体的に、花を飾ることができます。

■ 生け方のコツ
・花器の口から茎が見えない位置にカットしたダイアンサスを先に挿します。
・ダイアンサスの間にリューココリーネを挿します。
・リューココリーネは茎のシルエットを活かしたいので、長めに使いましょう。
・飾りたい場所に置いてから、長さや位置を調整すると、バランスが取りやすいです。

和の趣に
後半はリューココリーネの花にフォーカスして楽しみましょう。
花材は前半と同じものを使用しつつ、長さと花器を変えて、和の雰囲気に大きく変化させました。
春の野に咲く花を思わせる、静かな味わいのある佇まいです。

■ 花器について
今回は竹筒を花器として使用しました。水漏れすることがありますので、直接水を入れず、水を入れたグラスを置いて使用すると安心です。
竹筒でなくとも、小ぶりなバスケットなどにも使えるテクニックです。

■ 生け方のコツ
・花器の口にダイアンサスを敷き詰めます。
・隙間がある場合は、房のボリュームを整え、小分けにしたダイアンサスを間に差し込みましょう。
・ダイアンサスの間にリューココリーネを生けます。このとき、茎が見えないようにしましょう。
・リューココリーネは余白を活かすイメージで、中心を外した位置に挿すと、和の雰囲気がより引き立ちます。

2月の担当:村上 功悦(第一園芸 フローリスト)
リューココリーネは、可憐な姿に加えて、ふとした瞬間に香りが漂うところも魅力のひとつです。
品種によって表情が異なり、組み合わせる花材や花器によって、思いも寄らない雰囲気を見せてくれます。
特に、今回合わせたダイアンサスのように、形がユニークな花材を添えると、リューココリーネの軽やかさがより引き立ちます。
春の訪れを感じながら、色や香りの重なりを自由に楽しんでみてください。

第一園芸 日本橋店
東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)
第一園芸 全店舗情報
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
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