vol.41 アリウム ── 丸いかたちを楽しむ
2026.06.18
暮life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。
空間にリズムを生む花
6月も後半に入り、太陽の折り返し地点である夏至もすぐそこに。
一年のうちで最も昼の時間が長くなるこの時季は、植物たちの生命力がひときわ感じられる季節です。木々の緑は深まり、庭や公園ではさまざまな花々が初夏から盛夏へと季節をつないでいます。
梅雨の湿り気を含んだ空気の中にも、少しずつ夏の気配が混じり始めるころ。
季節が大きく移ろうこの時季は、いつもとは少し違った個性的な花を取り入れてみませんか。
今回は、ユニークな球状の花姿が魅力の《アリウム》を主役にした「週末の一輪」をご紹介します。

■ 主役の花材《アリウム》
アリウムはネギやニラ、タマネギなどと同じ仲間に属する植物です。
長く伸びた茎の先に、小さな花が集まって大きな球体をつくる姿が特徴で、そのユニークなフォルムからフラワーデザインでも人気があります。
品種によって花の大きさや色はさまざまで、紫色の大きな花を咲かせるアリウム・ギガンチウムや、白花の品種、うねった茎が特徴の品種なども流通しています。
一本でも空間のアクセントになり、まるでオブジェのような存在感を楽しめる花です。
今回は花が小ぶりで茎の細い「アリウム・パープルセンセーション」という品種を使用しました。
「アリウム」の基本情報
□ 出回り時期:通年
□ 香り:あり
□ 学名:Allium
□ 分類:ヒガンバナ科 ネギ属
□ 別名:花葱(はなねぎ)
□ 英名:Ornamental Onion
□ 原産地:ユーラシア、アフリカ北部、北アメリカ
□ 花ことば:正しい主張、不屈の心 など

■ 組み合わせる花材《カスミソウ》
カスミソウは、小さな白い花を無数に咲かせる人気の花材です。
ふんわりとした軽やかな雰囲気が、他の花を引き立てる名脇役としても親しまれています。
ここでは、アリウムの花とリンクさせるイメージで使用しています。
■ 生け方のコツ
アリウムとカスミソウを合わせる際は、「丸を重ねる」ことを意識するとまとまりやすくなります。
・アリウムの花球を主役として高さを出す
・カスミソウは小さく分けて束に
・アリウムの花のサイズに、カスミソウのボリューム感を近づける

花と花器のシルエットをリンク
後半はお手入れの過程で短くなったアリウムを生け換えてみましょう。
こちらでも丸い花の形にあわせて、ひとまわり大きな球体のガラス花器に生けました。
丸が二つ重なり、8の字のようなシルエットに。
花の形をそのまま繰り返すような感覚で楽しんでみてください。

■ 組み合わせる花材《利休草》
利休草は、やわらかなツルと明るい緑色が爽やかな葉ものです。
軽やかに伸びるラインが美しく、花と花器をつなぐ役割としても活躍します。
アリウムの球体を点として捉えるなら、利休草はその点と点を結ぶ線のような存在。
枝をやや長めに取り、床に垂れるように挿すことで、全体に自然なつながりが生まれ、まとまりのある印象に仕上がります。

■ 花器について
アリウムの魅力をより引き立てる方法のひとつが、花器とのシルエットを揃えることです。
今回使用した2つの花器はいずれも丸みを帯びたフォルムで、球体の花姿と呼応することで全体に統一感が生まれます。
花材と花器に共通する形の要素を持たせることで、バランスよくまとまった印象に仕上がります。

6月の担当:吉岡 美季(第一園芸 フローリスト)
夏至を迎えるこの時季は、植物のエネルギーを強く感じる季節です。
アリウムは自然界の中では少し不思議な形をしていますが、その造形美こそが大きな魅力。一本飾るだけでも空間にリズムが生まれ、見るたびに新しい発見があります。
雨の日が続く季節だからこそ、遊び心のある花を暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。ユニークな花姿が、日常に小さな楽しさを添えてくれるかもしれません。

第一園芸 日本橋店
東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)
第一園芸 全店舗情報
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
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