vol.50 バンダ —— ドラマティックな夏に彩りを
2026.08.20
暮life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。
南国の華やぎを楽しむ、バンダの飾り方
8月も後半に入り、日差しの強さの中にも少しずつ季節の移ろいを感じるころになりました。夏休みの終わりが近づき、夕暮れの風にほのかな秋の気配を感じる季節です。
そんな8月第4週の「週末の一輪」では、南国の雰囲気をまとった華やかなランの仲間、《バンダ》をご紹介します。


■ 主役の花材《バンダ》
バンダは、鮮やかな花色と存在感あふれる花姿が魅力のラン科植物です。ひとつの花茎にたくさんの花を咲かせ、まるで蝶が集まったような華やかさがあります。
切り花として流通するバンダは、紫色の品種を見かける機会が多いですが、今回は少し珍しいピンク色のバンダを使用しました。艶やかな色彩と繊細な模様が美しく、ひと目で印象に残る花材です。
比較的高価な花として知られていますが、その分花数が多く、一輪でも十分な存在感があります。また花もちもよいため、長く楽しめるのも魅力のひとつ。
今回はそんなバンダを余すことなく楽しめるよう、一輪を主役にした飾り方をご紹介します。
「バンダ」の基本情報
□ 出回り時期:通年
□ 香り:なし(一部品種あり)
□ 学名:Vanda
□ 分類:ラン科 バンダ属
□ 別名:翡翠蘭
□ 英名:Vanda Orchid
□ 原産地:熱帯アジア、インド、オーストラリア、台湾
□ 花ことば:上品な美しさ、優美

■ 花器とのバランス
今回は10cm角ほどの小さな手吹きガラスの花器を使用しました。
すりガラスならではのやわらかな質感と、カフェオレのようなブラウンカラーが温かみを感じる、落ち着いた雰囲気のデザインです。
鮮やかなバンダとの対比によって、それぞれの魅力がより際立ちます。

■組み合わせる花材《ニューサイラン》
ニューサイランは、剣のように長く伸びる葉が特徴の葉ものです。
今回は花器の色に合わせてブロンズカラーの葉を使用しましたが、グリーンや斑入りの品種などもあり、フローリストが幅広く活用する人気の花材のひとつです。
そのまま生けても美しい葉ですが、丸めたり結んだりと加工しやすいことも魅力。アレンジメントのアクセントや花留めとしても活躍します。

■ 生け方のアイデア1
バンダは一輪ごとの花が大きく、花茎もしっかりしているため、高さの低い花器や口径の広い花器ではそのまま生けると倒れてしまうことがあります。
そこで今回は、ニューサイランの葉を丸めて筒状にしたものを花器の中へ入れ、花留めとして活用しました。
葉の横幅は花器から少しはみ出る程度にすると、バンダの長さを活かしながら安定感よく生けることができます。葉の曲線もデザインの一部となり、より洗練された印象に仕上がります。

身近なものが花器に変身
バンダは一輪だけでも十分な存在感があるため、小分けにして飾るのもおすすめです。
今回は、ピンク色のバンダが映える鮮やかなブルーのお皿を使い、花器にとらわれない自由な飾り方をご紹介します。

■ 生け方のアイデア2
ここでも花留めとして活躍するのがニューサイランです。
ニューサイランを半分ほどの幅にカットし、くるくると巻いてステープラーで固定します。同じものをいくつか作り、お皿の上に配置して土台にします。

その土台の中心にバンダを挿し込みながら、お好みの位置を探してみましょう。花や葉で絵を描くような感覚で配置すると、自由で個性的な表現を楽しめます。
また、バンダは下の花から少しずつ傷み始めるため、花数が少なくなってきたときにも、美しく飾れるテクニックのひとつです。

おおよそのレイアウトが決まったら、バンダの茎が少し水に浸かる程度にお皿へ水を張ります。
普段使っている器や小皿も、少しの工夫で素敵な花器へと生まれ変わります。ぜひご自宅の器でも試してみてください。

8月の担当:江辺 雄亮(第一園芸 フローリスト)
8月第4週は、夏の終わりと秋の始まりが交差する季節。そんな時期におすすめしたいのが、鮮やかな存在感を放つバンダです。南国を思わせる華やかな花姿は、一輪だけでも空間の印象を大きく変えてくれます。第一園芸では8月に『トロピカルフラワー』フェアを開催中。バンダをはじめとするトロピカルフラワーで、夏ならではの色彩と魅力をぜひお楽しみください。

第一園芸 日本橋店
東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)
第一園芸 全店舗情報
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
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