週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.47 アンスリウム —— 艶と造形を楽しむ、夏の一輪

2026.07.30

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


空間を彩る、存在感ある花

厳しい暑さが続くこの時季は、各地で夏祭りや花火大会が行われ、本格的な夏の賑わいを感じるころです。強い日差しの中でもひときわ目を引く、艶やかな存在感を放つ花があります。暮らしの中に季節の彩りを添える一輪を楽しんでみませんか。

今回は、独特の艶と造形美が魅力の《アンスリウム》を主役にした「週末の一輪」をご紹介します。

■ 主役の花材《アンスリウム》
アンスリウムは、熱帯アメリカ原産のサトイモ科の植物です。ハート形にも見える艶やかな部分は、実は花びらではなく「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる葉の一種。その中央から伸びる棒状の部分に小さな花が集まって咲いています。

トロピカルフラワーならではの存在感がありながら、すっきりとしたフォルムでモダンな空間にもよくなじむアンスリウム。近年は赤やピンクだけでなく、グリーンやブラウン系、複色などカラーバリエーションもとても豊富で、お好みに合わせて楽しめる人気の花です。

「アンスリウム」の基本情報
□ 出回り時期:通年
□ 香り:なし
□ 学名:Anthurium
□ 分類:サトイモ科 ベニウチワ属(アンスリウム属)
□ 別名:大紅団扇(おおべにうちわ)
□ 英名:Anthurium、Tailflower
□ 原産地:熱帯アメリカ~西インド諸島
□ 花ことば:幸運のお守り、情熱、煩悩

■ 組み合わせる花材《ミスカンサス》
平面的なシルエットが魅力のアンスリウムに合わせたいのが、しなやかな葉姿が美しいミスカンサスです。線の動きが加わることで、アンスリウムのフォルムが引き立ち、軽やかな印象になります。

ミスカンサスは、葉をくるりと丸めて添えるのがおすすめ。曲線がアクセントとなり、洗練された雰囲気に仕上がります。

1枚目のスタイリングでは、ボール状のガラス花器に陶器の鉢がセットされた、水耕栽培にも使える花器を使用しました。花器の内側に水を張り、ミスカンサスを沿わせることで、水辺を思わせる軽やかな演出に。アンスリウムの艶やかな質感をより美しく見せてくれます。


花器で変わる表情

同じ一輪でも、花器を変えるだけで印象は大きく変化します。
アールデコを思わせるガラス花器に飾れば、アンスリウムのモダンな魅力が際立ちます。

マーブル模様の不透明なガラス花器に合わせると、モダンな印象の中にもやわらかさが加わり、優しい表情を楽しめます。

グレーの一輪挿しに生ければ、コンパクトながらシックで上質な印象に。アンスリウムが持つ彫刻作品のような美しさを楽しめます。

ガラスのティーカップに花首だけを浮かべて飾るのもおすすめです。ミスカンサスをくるりと添えれば、軽やかなアクセントが生まれます。

アンスリウムは花色が豊富なのも魅力のひとつ。お気に入りの色との出会いを楽しみながら選んでみてください。


真夏の贈りものに

存在感のあるアンスリウムは、少ない本数でもスタイリッシュなブーケになる花です。
南国を思わせる開放的な雰囲気を持つアンスリウムは、季節のご挨拶やお祝いの贈りものにもぴったり。シンプルな束ね方でも洗練された印象に仕上がります。

もちろんアレンジメントにもおすすめです。アンスリウムで夏らしさあふれる華やかな雰囲気に。暑い季節ならではの花の魅力を存分に楽しめます。

7月の担当:上野 紗弥子(第一園芸 フローリスト)
厳しい暑さが続く季節ですが、アンスリウムはそんな夏の光によく映える花です。艶やかな質感と個性的なフォルムは、一輪でも絵になる存在感があります。ミスカンサスやガラス花器を組み合わせて、この季節ならではの軽やかな花あしらいを楽しんでみてください。

また、第一園芸では8月にトロピカルフラワーフェアを開催予定です。アンスリウムをはじめ、この季節ならではの南国の花々をご紹介いたしますので、ぜひお楽しみになさってください。


花毎でご紹介しているアンスリウムのお話
旬花百科 第六話 「アンスリウム」
二十四節気の花あしらい 第五十一話 大暑の花あしらい「アンスリウム」
二十四節気の花絵 第八十三話 立秋の花絵「アンスリウム」

第一園芸 日本橋店

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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子