二十四節気の花絵

イラストレーターの
水上多摩江さんが花毎のために描いた、
二十四節気の花々

第六十四話 秋分の花絵「チョコレートコスモス」

2020.09.22

life


2020年9月22日から二十四節気は「秋分」に

二十四節気の中で重要な役割を果す節気のひとつが秋分です。
夏至、冬至、春分、秋分の4つの節気は二至二分(にしにぶん)と呼ばれる、天象と暦学上の季節区分にあたり、春分と同じように昼夜の長さがほぼ等しくなります。
そして、この日を境にだんだんと昼が短くなり、冬に向かって行く節目の節気です。

さて、春分、秋分はお彼岸の中日にあたりますが、この時季にお供えするのが「ぼたもち」であり「おはぎ」です。
どちらも同じものですが、作る時季によって呼び名が変わり、秋分の「おはぎ」は小豆が萩の花に似ていることからこの名が付いたとされます。ちなみに春分の「ぼたもち」とは牡丹の花に由来し、更に夏と冬の呼び名もあって、夏は「夜船(よふね)」冬は「北窓」という名が付けられています。

「チョコレートコスモス」

□開花期:5月~11月
□香り:あり
□学名:Cosmos atrosanguineus
□分類:キク科コスモス属
□英名:Chocolate Cosmos
□原産地:メキシコ

チョコレートコスモスはその名の通り、チョコレートのような色と香りの花。
印象的な花の色は水上さんが描いた、赤味を帯びたものや、黒に近い色のものなど、どれもシックです。
具体的には赤に近い花色の「ストロベリーチョコレート」、黒に近い「ビターチョコ」、ほんのりオレンジ色がかった「キャラメルチョコ」といった、まるでお菓子のような名前が付けられた品種が存在しています。


花毎の花言葉・チョコレートコスモス〈苦くて甘い〉

チョコレート=バレンタインデーのイメージからか、一般的な花言葉は「恋の思い出」「移り変わらぬ気持」と言われています。

確かにチョコレートコスモスには、その名からお菓子のようなイメージがありますが、深く暗い色は他の花とはひと味違う、とても大人びた魅力を感じます。
反面、花の香りは甘く、まさにチョコレートの香り。

ただ甘いだけがチョコレートの美味しさでは無いように、この花の魅力は繊細な花と強い色、そして見た目そのままとも、裏腹とも言える甘い香りの組み合わせだと思うのです。

苦さと甘さ、どちらも楽しめるのが大人の特権であることを、チョコレートコスモスの花言葉に託しました。

文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子

水上多摩江

イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 琵琶湖の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など