二十四節気の花絵

イラストレーターの水上多摩江さんが描いた季節の花に合わせた、
二十四節気のお話と花毎だけの花言葉。

第七十二話 大寒の花絵「スイートピー」

2021.01.20

life


2021年1月20日から二十四節気は「大寒」に

一年で最も寒いとされる大寒は冬最後の節気であり、立春から始まった二十四節気が一巡する時です。

大寒に行われる行事に「節分」がありますが、節分とは雑節(ざっせつ)のひとつで、二十四節気では掴み切れない季節の移り変わりを表すために作られた特別な暦日です。
この節分には「季節を分ける」という意味があり、かつては立春、立夏、立秋、立冬の前日を指す言葉でしたが、時代とともに立春の前日、つまり大寒の終わりの日を指すようになりました。
また、古来より季節の変わり目には邪気が入りやすいとされ、特に年の変わり目である大寒の節分は最も邪気が高まると考えられたため、鬼=邪気を払う「豆まき」が行われるようになりました。

いにしえの人々は鬼を形の見えない恐怖に例え、こうした行事を行ってきましたが、現代に生きる私たちにとっても今年の節分は例年とは異なる意味を持っているようです。

節分でこの邪気を払い、清々しい立春を迎えられることを願うばかりです。

「スイートピー」

□開花期: 4月~6月(切り花の出回り時期は11月~4月)
□香り:あり
□学名:Lathyrus odoratus
□分類:マメ科レンリソウ属
□和名:麝香連理草(ジャコウレンリソウ)、カオリエンドウ(香豌豆)など
□英名:Sweet pea
□原産地:イタリア・シチリア島

晩秋から出荷が始まり、卒業式が行われる頃に最も多く出回る、花屋の店先で最も早く春の到来を告げる花のひとつがスイートピーです。
名前の由来はSweet=甘い、pea=豆。
和名ではカオリエンドウと呼ばれ、甘い香りや左右対称の蝶形花といったマメ科の花ならではの特徴があります。ちなみに絹さやにそっくりな豆が成りますが、これには毒性があり食用できません。

スイートピーはシチリア島で発見され、1900年頃からイギリスで改良が進み、多くの品種が生み出されました。
花の中でも特にカラーバリエーションが豊富で、黄、青、黒系以外の花色が存在しています。染色にも向いているため、前出の色など、自然では存在しない色に染められた花も出回っています。

1月21日はスイートピーの日
春のイメージがある花ですが、スイートピーの日はなぜか1月21日。
この日が記念日登録された理由は、花屋では出盛りの時期であること、3種類の花びらが左右対象に1・2・1と並んで一つの花となっていることに由来するそうです。
ちなみに赤色のこの花を歌った曲が発売されたのが1982年1月21日だったというのは、また別のお話。

赤のスイートピー
この曲の大ヒットから、その当時には存在しなかった赤い花が生まれたとも言われていますが、実は元々存在していた花色で、この曲の人気から改良が進み、現在では多く目にするようになりました。


花毎の花言葉・スイートピー「心の旅」

今までに付けられたスイートピーの花言葉は蝶が飛び立つような花の姿から「門出」や「別れ」などです。
例年であれば「門出」は卒業式の季節にふさわしい花言葉ですが、いま多くの方が切望しているであろう、旅への憧れをその飛び立つような花の姿に重ねて、花毎では「心の旅」という花言葉をこの花に託したいと思います。

文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子

水上多摩江

イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など