第一話 夏至の花あしらい「リョウブ」
2021.06.21
暮life
今回から「二十四節気の花あしらい」の連載が始まりました。
毎月前半の節気は「二十四節気の花絵」、後半の節気は「二十四節気の花あしらい」と、二つの連載を交互に掲載いたします。
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日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきましたが、この「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸で花に携わってきた谷中直子がご紹介いたします。
毎月、旬の雰囲気を楽しめる花をピックアップして、最後の一輪まで楽しみつくす、そんな花のあしらいのお話です。
2021年6月21日から二十四節気は夏至に
夏至は一年でもっとも昼の長さが長くなる日。太陽に感謝したくなるそんな日です。
夏至というと太陽の色であるオレンジや赤のイメージもありますが、私は6月から8月にかけて白い涼しげな花を咲かせる、美しい緑のリョウブ(令法)を思い浮かべました。
目にも鮮やかな緑の葉と爽やかな白い小花、夏至を彩るのにぴったりな花のひとつではないでしょうか。
枝ぶりを生かしてざっくりいける
今回は食卓で使うピッチャーをつかってざっくり無造作にいけてみました。
青々とした枝ぶりは夏の盛りである夏至を想像させますし、これだけで様になるのがリョウブの魅力です。
リョウブに花を足して華やかに
シンプルにリョウブだけで楽しんだ後は彩りを添えてリメイクしてみましょう。
太陽のようなオレンジが鮮やかな「ヒメユリ」、涼しげな印象の紫の「クレマチス」など、この季節にふさわしい色合いの花をプラスしました。
この時にリョウブは切り戻しをして、花びん(ピッチャー)の水も替えましょう。
最後まで花を楽しむ
夏の暑さやクーラーの風で花がいよいよ疲れてきたら、花を取り除いたリョウブや花首がしおれてきてしまった花を使って楽しみましょう。
このような時には写真の様に浅く水が張れる、食器などを花器として使ってみるのがおすすめです。特に夏でしたらガラスの器が涼やかですね。
茎が長いままではくたびれてしまって、捨てられてしまいそうな花も、思い切って短くすることで、水を吸い上げやすくなり、長く楽しむことができます。
外出もままならないコロナ禍の今。
ぜひ、花を生活に取り入れて季節を感じ、最後までお得に楽しんでみてくださいね。
「令法(リョウブ)」の基本情報
□出回り時期:5月~7月
□香り:あり
□学名:Itea virginica
□分類:ズイナ科ズイナ属
□和名:令法(リョウブ)
□英名:Virginia willow
□原産地:北アメリカ
※今回は花屋で通常リョウブとして流通するヒメリョウブ(コバノズイナ)を使用しました。
谷中直子
第一園芸入社前から学生バイトで働く生粋の第一園芸人。
百貨店系ショップでいわゆる花屋さんを数年経験後、ホテル店に移動しブライダル関係を十数年経験。店長職を経て本社勤務に。
現在は広報担当としてリリースなどの社外発信を担当。
訪れた場所ごとに足元にはえる草を見て、その違いを楽しむマニアック気質の持ち主。
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