第一話「緑に携わる人々」
2020.06.10
知study
「金の斧、銀の斧」という童話があります。
きこりが川に斧を誤って落とし、そこに現れた女神が「あなたの落とした斧は金の斧ですか、それとも銀の斧ですか。」と尋ねます。
正直なきこりは「落としたのは普通の斧です。」と答えたので、金、銀、自分の斧、3本とももらうというお話。
小さい頃に読み聞かせてもらった絵本に出てくる「きこり」これが私の人生で初めて出会った、木を切ることを生業とする人です。
いまでも「きこり」がどんな仕事をして、どう生計を立てているのか、いまいちよく分かりませんが、木を切る職業ということだけは確かです。
砂漠のど真ん中でもない限り、窓の外を見れば必ず緑が目に入り、その木や植物を管理している人がいます。
花壇があれば誰かがそこに花を植えていて、街路樹があれば、定期的にメンテナンスをしている作業員が。
私たちは緑に囲まれて生きていて、そこには植物を素敵に見せようとする仕事や、安全に管理する仕事、植物の病気を治す仕事など、緑に関わるさまざまな職業があります。
第一園芸で庭園管理を担当している高木さん
縁あって造園業界に身を置いた私は、木に関わる仕事をする人たちにたくさん出会い多くを学びました。
造園の知識ゼロのまま飛び込んだ世界は何もかもが新鮮で、興味深いことばかり。
桜が咲くのは4月ごろ、冬に葉を落とすのは落葉樹……
最初はこのくらいの知識しか持ち合わせていませんでした。
家はマンションのため、庭の管理をする必要もなく、するすると木に登って枝葉を落としていく庭師を間近で見たのは、30歳を過ぎたころ。そんな緑に携わる人々に焦点をあて、これからその日常を少しだけ紹介していきたいと思います。
はつやま さちこ
高校卒業後、英国へ留学。ロンドン郊外にあるOaklands CollegeのFloristry学科に在籍し、イギリスの国家資格を取得。2008年第一園芸株式会社に入社。ネット事業部を経て緑化事業部へ。各国大使館などを担当していたガーデナー。
現在は子育てのため一旦、退職して家庭生活を満喫中。
好きなことは食べ歩き、無計画旅行。昆虫食推進派。
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