第十五話 「四季の香」
2021.05.12
知study
「四季の香」Shiki-no-Kaori 作出年:2021年│作出者:忽滑谷史記│作出国:日本│系統:シュラブ│咲き方:四季咲き│花径:中輪│香り:中香(ティー)
今年もバラの季節が訪れました。
春の見ごろの時期に、どのような花に出会えるのか楽しみです。
練馬区光が丘の『四季の香ローズガーデン』では、既存の「香りのローズガーデン」に加えて、2021年5月12日から新しいエリアの「色彩のローズガーデン』と「香りのハーブガーデン」が加わり、リニューアルオープンをします。
この度は、このリニューアルオープンを記念して、私からシンボルローズを提供させて頂くことになりました。
今回は、そのシンボルローズについてご紹介をさせて頂けたらと思います。
『四季の香ローズガーデン』は、2016年5月に開園したバラ園です。
私は、開園当初から第一園芸株式会社の一員として5年間、栽培管理やイベントなどのお手伝いに加わってきました。
私自身、長い期間にわたって携わってきたこともあり、思い入れのあるバラ園です。
ガーデナーとして、またイベントの実施など様々な面において経験をさせて頂きました。
特に、バラと他の植物と混植をしているローズガーデンですので、庭に求められるバラがどのようなものであるのかという点では、育種家として非常に勉強になりました。
バラ園を拡張するという話をお聞きした時に、公園のシンボルとなるようなバラがあったら、きっと訪れる方も喜ぶのではないかと思いました。
バラの育種家である私から、シンボルとなるようなバラを提供できないかご提案をさせて頂き、今回、シンボルローズ『四季の香』が誕生することとなりました。
提供にあたっては、複数の試作品種を現地で試験栽培した結果、木漏れ日の光を感じさせる黄色とピンクの入り混じる色彩のこの品種の絞り咲きの花が、光が丘の「光」のイメージにぴったりであったため、このバラに決定することになりました。
『四季の香』の名の通り、5月から晩秋まで繰り返し花を咲かせてくれる四季咲き性であり、やさしいティー(紅茶)の香りももっています。
品種名は、ローズガーデンの名前に因み、シンプルに「四季の香」とさせて頂きました。
このバラを通じて、『四季の香ローズガーデン』を日本中の方に知ってもらうとともに、『四季の香ローズガーデン』において、近隣の方、訪れた方に末永く愛されるバラとなることを願っています。
『四季の香ローズガーデン』の「色彩のローズガーデン」のシンボルローズ『四季の香』の植栽の様子(2021年4月20日撮影)
『四季の香ローズガーデン』は、地下鉄都営大江戸線「光が丘駅」から徒歩6分のところにあります。
光が丘駅は、新宿駅から約25分と交通の面でも比較的訪れやすい場所にありますので、バラの見ごろの5月中旬~6月中旬、10月下旬~11月下旬ころにはぜひいらっしゃってください。
忽滑谷 史記(ぬかりや ふみのり)
バラ育種家。埼玉県飯能市を拠点に、オリジナルブランド『Apple Roses』品種の育種・生産およびネットショップでの販売を行う。病気に強く誰でも簡単に育てられる、魅力的な品種づくりを目指している。
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