週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.15 ダイヤモンドリリー ──宝石のような輝きを楽しむ

2025.12.11

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


白の魅力を堪能

街にイルミネーションが灯り、クリスマスやお正月への期待が高まるころです。
年末に向かうあわただしい時季に、気持ちを整えてくれるような花を一輪飾ってみませんか。
そんなひとときにおすすめなのが「ダイヤモンドリリー」。
光を受けてきらめく花びらが、冬の空間に華やぎを添えてくれます。

■ 主役の花材《ダイヤモンドリリー》
本来の名前は「ネリネ」ですが、キラキラと光る花弁から「ダイヤモンドリリー」とも呼ばれています。
繊細な花姿ながら、水あげも花持ちもよく、美しい姿を長く楽しめます。
濃淡のピンクの花色もありますが、今回は冬のイメージをまとった白い花を選びました。

「ダイヤモンドリリー」の基本情報
□切り花出回り時期:10月から12月
□香り:微香
□学名:Nerine
□分類:ヒガンバナ科 ネリネ属
□別名:ネリネ、姫彼岸花
□英名:Nerines、Guernsey lily
□原産地:南アフリカ
□花言葉:幸せな思い出 など

■ 組み合わせる花材《ナンキンハゼの実》
落葉高木のナンキンハゼは、秋の紅葉が美しい樹木です。紅葉がはじまるころに黒い実がはぜて、冬にかけて白い実(種子)が枝先に残ります。
マットな印象がある、動きのある枝と、白い実が、冬の気配を漂わせるこの実ものに、きらめくダイヤモンドリリーを組み合わせて、白の美しさを堪能しましょう。

■ 花器について
大理石のような模様の、ガラスの花器を選びました。
楕円径の花器は、少ない本数の花もうまく受け止めてくれますし、奥行きがない場所などにもぴったりです。

■ 生け方のコツ
・最初にナンキンハゼを生けると、交差した枝が花留めになり、狙った位置にダイヤモンドリリーが挿しやすくなります。
・ナンキンハゼは枝ぶりをよく見て、四方に枝が伸びているイメージで生けると、自然な印象に仕上がります。


質感のコントラストを活かす

前半は白い実ものとの組み合わせを楽しんだら、後半は個性的な枝ものに変えて、オブジェのように楽しんでみましょう。

■ 花器を替えて、もうひとつの楽しみ方
後半は碁石のようなすりガラスの一輪挿しを使用しました。
一輪挿しには珍しく、横にボリューム感があるので、額縁のように花を際立たせてくれる効果があります。

■ 組み合わせる花材《ニシキギ》
美しく紅葉することから《ニシキギ(錦木)》の名が付いたとされる木です。枝に「翼(よく)」と呼ばれる、薄い板状の翼が付くのが特徴で、ここではこのユニークな枝を主役にしています。

■ 生け方のコツ
・ニシキギは「翼」がある部分が見えるように生けます。葉が付いている場合は落として使用しましょう。
・ニシキギの長さは、花器の高さに対して1:2程度が目安です。

■ お手入れと長持ちのコツ
ニシキギはドライ花材として活用できますので、余った際は(水の入っていない)花器などに飾って、ユニークな枝を楽しむのもおすすめです。

12月の担当:志村 紀子(第一園芸 デザイナー)
「冬の光を受けて輝くダイヤモンドリリーは、空間に洗練された華やぎを添える花です。一輪でも存在感があり、枝ものとの組み合わせで質感のコントラストを楽しめるのも魅力。ぜひ、年末のひとときに取り入れて、季節の輝きを感じてみてください」


花毎でご紹介しているダイヤモンドリリーのお話
・二十四節気の花あしらい 第四十三話 大雪の花あしらい「ダイヤモンドリリー」 

第一園芸 日本橋店

東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)

第一園芸 全店舗情報
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第一園芸 オンラインショップ
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子