週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.28 ツインキャンドル ── 素朴な可愛らしさ

2026.03.19

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


野の景色を取り入れて

春の頂点である「春分」を控え、街は春の気配に満ちています。
桜の開花情報も賑わい始め、桜前線の動きが気になるころです。

この時季の花屋には、華やかな花だけではなく、野に咲くような雰囲気の花も豊富。
今回はそうした花の中から、ふわふわとしたしっぽのような《ツインキャンドル》を使い、週の前半と後半で楽しむ“週末の一輪”をご紹介します。

■ 主役の花材《ツインキャンドル》
北半球におよそ300種が分布する、クローバーの一種です。
正式名称は 《トリフォリウム・ツインキャンドル》。イチゴのような赤色が可愛らしい品種で、ほかにも淡いピンク、紫、白など、さまざまな色のトリフォリウムが存在します。
素朴で野に咲くような雰囲気が魅力の花です。

「トリフォリウム」の基本情報
□開花時期:4月~5月
□香り:あり
□学名:Trifolium
□分類:マメ科 シャジクソウ属(トリフォリウム属)
□別名:アカツメクサ、シャジクソウなど
□英名: Clover
□原産地:オーストラリアを除くほぼ世界中
□花ことば:素朴な可愛らしさ、幸運を呼ぶ など

■ 組み合わせる花材《コロニラ》
葉ものとして人気が高まっている 《コロニラ》。
マメ科の植物で、小さな丸い葉と、ツル状に伸びる軽やかな姿が特徴です。
ここでは斑入りタイプを使用しました。春先には可愛らしい黄色の花が付いたものが出回ることも。
この一枝で全体に動きが生まれ、軽やかさが引き立つ、魅力的な葉ものです。

■ 花器について
今回は花材の色が控えめなので、鮮やかなターコイズブルーの花器で華やかさを添えました。
色鮮やかな花器は花を選びそうに思えますが、意外にも幅広い植物と相性が良く、花の本数が少ない時にも彩りを与えてくれます。
ぜひ、お好みの色の花器を試してみてください。

■ 生け方のコツ
・花の長さを決める際は、花器の高さと比較すると完成形をイメージしやすくなります。
・ここでは、1本目のツインキャンドルを「花器の高さ:花材の長さ=1:1」に。
・中心となる花材を決め、添える花材の長さを調整するとバランスよくまとまります。


響き合う色を楽しむ

前半で“春の芽吹き”のような組み合わせを楽しんだら、後半は色の重なりを意識したアレンジにしてみましょう。

■ 組み合わせる花材《カーネーション》
《ユカリブルー》という、水色に染めたカーネーションを使用しました。
染め花ならではの独特のブルーに、うっすらと入るピンクの模様がツインキャンドルのピンクと響き合う、美しい一輪です。

■ 花器も変えて
後半はヨーヨーのような形の一輪挿しを選びました。
淡い花色を引き立てる、ガラスの繊細な模様が魅力の花器です。

■ 生け方のコツ
・ツインキャンドルは枝分かれしている部分で切り分けます。
・葉はアクセントとして1~2枚だけ残し、それ以外は取り除きます。
・カーネーションは葉をすべて取り除き、茎が見えない長さに調整して生けると、すっきりとバランス良く仕上がります。

3月担当:市村 亨(第一園芸 フローリスト)
春は、花の色や形に“軽やかさ”が宿る季節です。
ツインキャンドルの素朴な可愛らしさは、飾る場所に自然なやさしさを運んでくれます。
季節の移ろいとともに、花とじっくり向き合う時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。

第一園芸 日本橋店

東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)

第一園芸 全店舗情報
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子