週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.31 スナップ ── 軽やかな色を添えて

2026.04.09

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


いきいきとした姿を新生活に

桜の季節がひと段落し、街の景色は若葉の緑へと移り変わっていきます。
花屋の店先には初夏の花が並びはじめ、ひとあし早く季節の移ろいを感じるころです。

新しい生活にも少しずつ慣れ、日々のペースがつかめてくる頃ではないでしょうか。
暮らしの中にも、軽やかな変化を取り入れたくなる時季です。
そこで今週は、伸びやかな花姿が印象的な《スナップ》を主役に、春の明るさを楽しむ“週末の一輪”をご紹介します。

■ 主役の花材《スナップ》
春の花として親しまれている《スナップ》は、金魚が口を開けたようなユニークな花姿から「金魚草(きんぎょそう)」とも呼ばれる花です。
すっと伸びた花穂に花が並ぶ姿は、アレンジメントにリズムを添えてくれる存在。
やさしいパステルカラーから深みのある濃色まで色のバリエーションも豊富で、組み合わせによってさまざまな表情を見せてくれます。
親しみやすさのなかに造形的な美しさがあり、一本あるだけで春らしい軽やかさをもたらしてくれる花です。

「スナップ」の基本情報
□出回り時期:11月~5月
□香り:あり
□学名:Antirrhinum majus
□分類:オオバコ科 キンギョソウ属
□別名:スナップドラゴン、金魚草(きんぎょそう)
□英名:Snap dragon
□原産地:地中海沿岸
□花ことば:おしゃべり、出しゃばり など

■ 組み合わせる花材《セリンセ》
後半に合わせたのは、落ち着いた青紫の色合いと、独特の質感が魅力の《セリンセ》。
ベルのような花を包むシルバーグリーンの苞が特徴で、ニュアンスのある色が春の花合わせに深みを与えてくれます。

明るく華やかなスナップに、セリンセの落ち着いたトーンを添えることで、甘さを抑えた大人びた印象に。
整った花穂がつくる「縦の流れ」と、セリンセのやわらかく揺れるフォルムを組み合わせると、自然な奥行きが生まれます。

■ 花器について
紅茶を思わせる色合いのガラス花器を合わせました。
口が細く、胴がふくらんだ形で、長さのある植物を安定して支えやすい花器です。

■ 生け方のコツ(前半)
・スナップは花器のおよそ3:1、セリンセは2:1の長さで生けます。
・水に浸かる葉は傷むため、あらかじめ取り除きましょう。
・花同士が重なりすぎない長さに調整します。


色合わせを楽しむ

後半は、異なる色のスナップを加えて、軽やかな色のコントラストを楽しみます。
前半で使用した明るい黄色に、サーモンピンクを添えて華やかさをプラスしました。
花の色を主役にしたいので、茎が見えないように生けるのがポイントです。

■ 生け換える花器
鮮やかなターコイズブルーが美しい手ふきガラスの花器を選びました。
一見すると使い方が難しそうですが、今回のように色を楽しむ生け方では、花色をより引き立ててくれます。
また、直方体のフォルムは本数が少なくても構図が決まりやすく、バランスよく見える効果があります。

■ 生け方のコツ(後半)
・スナップは花器に対して斜めに生けます。
・茎が見えない長さにカットし、花を引き立たせます。
・スナップは品種や個体によってボリュームに差があるため、大きさの異なる花を組み合わせると、まとまりのある仕上がりになります。

4月の担当:山口 愛(第一園芸 フローリスト)
スナップは身近な春の花ですが、色や咲き方によって印象が大きく変わる花でもあります。
透明感のある色合いを選んだり、ニュアンスカラーを取り入れたりすると、いつもとは少し違う表情を楽しめます。
ぜひ取り入れて、春の彩りを楽しんでみてください。

第一園芸 日本橋店

東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)

第一園芸 全店舗情報
https://www.daiichi-engei.jp/shoplist/
第一園芸 オンラインショップ
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子