旬花百科

日本一の花市場、大田市場に集まる旬の花や最新品種をご紹介。
知っていると花選びが楽しくなるお話。

第二十三話 「染めスイートピー」

2023.01.27

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1月21日の「スイートピーの日」にあわせて、110品種のスイートピーが大田花きに集まりました。今回はその中から、近年カラーバリエーションが広がった染めスイートピーをご紹介します。

染めスイートピーとは

もともとスイートピーはカラーバリエーションが豊富な花ですが、染色に向いていることもあり、自然な花にはない色に染め上げた花が多く出回るようになりました。
染める際にはややクリーム色がかったスイートピーが使われることが多く、トレンドに合わせて色も変化しています。


イエロー~オレンジ系

ブラボー

ひだまり

黄色のスイートピーは自然に存在しない?
スイートピーは白、クリーム、ピンク、紫、赤、ピーチなどの色が存在していますが、黄色系の品種はつくり出すことが難しく、現在黄色のスイートピーとして販売されているのは染めスイートピーとなります。とても自然な色に見えるため、これが染色された花とは気づかない方も多いかもしれません。

セピア


赤~ピンク系

チョコ

染めならではのニュアンスカラー
赤やピンクのスイートピーは染めていない品種も多数存在していますが、透明感のある明るい色が特徴です。今回ご紹介している「チョコ」や「ノーブルレッド」「ラベージュ」のように、あえてくすんだ色あいは染めならではの色といえます。

ノーブルレッド

ラベージュ


アンティークカラー

パールグレイ

ありそうでない色
「パールグレイ」や「クラシック」といった、アンティークカラーの花はとてもシックでおしゃれな色あいが魅力。他の植物と組み合わせるのであれば「ユーカリ」や芽吹きはじめの枝物がよく合います。

クラシック


グリーン~ブルー系

C.エメラルド

アッシュブルー

染め花で初の受賞品種
「アッシュブルー」は染め花ではじめてFLOWER OF THE YEAR OTA2021 新商品奨励賞を受賞した品種です。ニュアンスカラーの花が一般的ではなかった2016年にリリースされ、トレンドを取り入れながら改良を重ねて、この色合いが生まれました。

そらいろ

ブラックジャック


天然の色合いも美しいスイートピーですが、自然界には存在しない色に染め上げられたスイートピーは不思議な魅力を放つ花です。
2018年に取材した染めスイートピーはビビッドで濃いめの花色が中心でしたが、コロナ禍以降はアンティークカラーやニュアンスカラーといった複雑な色が増え、よりファッション性が高まっています。

スイートピーの基本情報

□出回り時期:11月~4月
□開花時期:4月~6月
□香り:あり
□学名:Lathyrus odoratus
□分類:マメ科レンリソウ属
□和名:麝香連理草(ジャコウレンリソウ)、カオリエンドウ(香豌豆)など
□英名:Sweet pea
□原産地:イタリア・シチリア島


花毎でご紹介しているスイートピーのお話

スイートピーのさまざまな品種
旬花百科 第一話 「スイートピー」

気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニック
二十四節気の花あしらい 第八話 大寒の花あしらい「スイートピー」

水上多摩江さんが描いたスイートピーの花
二十四節気の花絵 第七十二話 大寒の花絵「スイートピー」

トップデザイナーによる何かに見立てた花
夢の花屋 第一話 「二月の誕生石 アメジストに見立てる」

取材協力:株式会社 大田花き、日本スイートピーの会