週末の一輪

週末、自分のために花を飾りましょう。
花を手軽に楽しむコツを第一園芸のフローリストがご紹介します。

vol.33 アンスリウム── かたちを楽しむ一輪

2026.04.23

life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーやフローリストが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。


初夏を感じて

日によっては上着がいらないほどの陽気となり、初夏の入り口を思わせる日も出てきました。
朝晩の涼しさとの対比からも、季節が次の段階へ進んでいることが感じられます。
花もまた、やわらかな春の印象から、少し印象的なものへと目が向くころです。

そんな節目に、艶のある質感が美しい《アンスリウム》を主役にした“週末の一輪”をご紹介します。

■ 主役の花材《アンスリウム》
艶のある質感と印象的なフォルムが目を引く《アンスリウム》は、熱帯地域原産の、観葉植物としても知られる花です。
花のように見える部分は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉の一種で、中央の棒状の部分が花序になります。

赤やピンクのイメージが強い花ですが、近年はグリーンやブラウン、複色などのシックな色味も増え、カラーバリエーションが豊富になっています。
一輪でも存在感があり、空間にほどよい緊張感と洗練された印象をもたらしてくれる花材です。

「アンスリウム」の基本情報
□出回り時期:通年
□香り:なし
□学名:Anthurium
□分類:サトイモ科 ベニウチワ属(アンスリウム属)
□別名:大紅団扇(おおべにうちわ)
□英名:Anthurium、Tailflower
□原産地:熱帯アメリカ~西インド諸島
□花ことば:幸運のお守り、情熱 など

■ 組み合わせる花材《雲龍柳(うんりゅうやなぎ)》
アンスリウムに合わせたのは、独特の曲線が印象的な枝もの《雲龍柳》。
名前の通り、雲や龍のようにうねる枝ぶりが特徴で、その自然な造形だけで空間をアーティスティックに変化させる花材です。

ここでは、面の美しさを持つアンスリウムを引き立たせるアクセサリーのように、自由な曲線を描く雲龍柳を添え、直線と曲線の対比を楽しみます。

■ 花器について
大理石を思わせるマーブル模様が特徴の、ガラス花器を選びました。
肉厚のガラスのため重さもあり、大きな花材を生ける際にも安定感があります。
見た目は大きく感じられますが、平たい形状なので意外にもコンパクトで、使い勝手のよい花器です。

■ 生け方のコツ(前半)
・雲龍柳は細めの枝を切り取り、花器の口径サイズを目安に数回丸めます。
・花器の口元に挟み込むように入れ、アンスリウムの花留めにします。
・雲龍柳が半分ほど見えるように使い、全体のアクセントになるよう整えます。


個性を活かして

後半は、アンスリウムと雲竜柳を、コンパクトなオブジェのように楽しんでみましょう。
お手入れの過程で短くなったり、小さめのスペースに飾りたいときに、ぜひお試しいただきたい飾り方です。

■ 花器を変えて楽しむ
円盤を重ねたような、ユニークな形の一輪挿しを選びました。
個性的な色と形ですが、口が細くバランスのよいシルエットのため、さまざまな植物をうまく受け止めてくれます。
特に、アンスリウムのように個性の強い花は、こうしたインパクトのあるデザインの花器ともよく調和します。

■ 生け方のコツ(後半)
・水を入れる前に、花器のくびれ部分に雲龍柳を巻きつけ、アクセントに。
・雲龍柳は花と一緒に生けるだけでなく、そのしなやかさと丈夫さを活かし、花器に巻き付けるなど、さまざまな楽しみ方ができる花材です。
・お手持ちの花器の形や特徴にあわせて、ぜひ自由に試してみてください。

4月の担当:山口 愛(第一園芸 フローリスト)
アンスリウムは色や形のバリエーションが豊富で、選ぶ品種によってモダンにもナチュラルにも印象が変わる花です。近年はシックな色合いや個性的なフォルムのものも増え、花合わせの幅も広がっています。
一輪でも空間の印象を大きく変える存在感のある花なので、ぜひお好みの色を選んで楽しんでみてください。


花毎でご紹介しているアンスリウムのお話
・旬花百科 第六話 「アンスリウム」
・二十四節気の花絵 第八十三話 立秋の花絵「アンスリウム」
・二十四節気の花あしらい 第五十一話 大暑の花あしらい「アンスリウム」

第一園芸 日本橋店

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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子