旬花百科

日本一の花市場、大田市場に集まる旬の花や最新品種をご紹介。
知っていると花選びが楽しくなるお話。

第二話 「チューリップ」

2018.04.08

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チューリップの基本情報

□出回り時期:11月~4月
□香り:あり
□学名:Tulipa
□分類:ユリ科チューリップ属
□和名:鬱金香(ウコンコウ/ウッコンコウ)
□英名:Tulip
□原産地:地中海沿岸から中央アジア

花のかたちが中近東の人々の頭に巻くターバンに似ていることから、トルコ語で「頭巾」を意味する「ツゥリッパ」から名前が付いたとされています。
和名の鬱金香は、花の香りがスパイスのウコン(ターメリック)に似ていることに由来。また、「ぼたんゆり」とも呼ばれることがあります。

チューリップ・バブル

オスマントルコ帝国(現在のトルコ)で栽培されていたチューリップが16世紀にオランダに伝わると、チューリップが投機対象となり、17世紀中ごろに価格が異常に高騰。そして突然下降して世界最初のバブル経済を引き起こしました。人々が球根を買いあさり、高値がついて市場が崩壊するまで球根はお金として扱われました。

さまざまな色と花言葉

チューリップには多種多様な咲き方や色が存在します。花言葉も色によって異なり、赤は「愛の告白」、黄は「正直」、ピンクは「誠実な愛」、白は「新しい恋」、紫は「永遠の愛」と言われています。

一重咲きと王冠咲き

最もチューリップらしいかたちなのが、種類が豊富な一重咲きタイプです。
王冠咲きは、くるんとウェーブした花びらが反り返って咲くタイプ。王冠のようなシルエットから、このように呼ばれています。

パーロット咲き

パーロット(parrot)とはオウムの意味。オウムの巻き毛のようなフリルが入った花びらが特徴。花が開ききると乱れ咲きのように咲く、ドラマティックな雰囲気を持つ花です。

香りを楽しむ

写真のチューリップは「ブラウンシュガー」。フルーティーでチューリップらしい香りがする品種です。
チューリップは主に4つの系統の香りに分類されていて、それぞれの代表的な品種は次の通りです。

■チューリップの香り
「ベロナ」「モンテカルロ」「バイキング」「オレンジプリンセス」「モンディアル」「モンアムール」「ダブルプリンセス」「モンテスパイダー」「モンテオレンジ」「オルカ」「フレミングマリガリータ」
■フルーティな香り
「フィノラ」「ギロンデ」
■チューリップ & フルーティな香り
「バレリーナ」「ブラウンシュガー」
■スパイシーな香り
「コロンブス」

曲がる、伸びる

切り花でも光の方向に曲がりながら伸びるのがチューリップの特徴です。
場合によっては数日で10cm以上伸びる場合も。伸びて曲がったシルエットを活かした生け方も楽しめます

球根付きの花

ここ最近人気があるのが、球根付のチューリップです。
原種に近い、コンパクトな品種が球根付チューリップとして多く出回っています。
このタイプのチューリップは球根を見せる飾り方がおすすめ。ガラスの器などに、少な目に水を入れて楽しんでください。

大人っぽいチューリップ

一般的には可愛らしい花のイメージがあるチューリップですが、最近は大人っぽく、個性的な品種も人気です。
ダークカラーのチューリップを何種類か取り合わせたブーケは、お洒落な女性への贈りものにぴったり。
11月から4月がチューリップの出回り時期。特に2月から3月にかけては最も多くの品種が楽しめる時です。
食べ物にも旬があるように、旬の花を飾って、その季節ならでは雰囲気を楽しみませんか?

花毎でご紹介しているチューリップのお話

さまざまなチューリップの品種
旬花百科 第十二話 「ユニークなチューリップ」

水上多摩江さんが描いたチューリップ
二十四節気の花絵 第五十一話 啓蟄の花絵「チューリップ」

気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニック
二十四節気の花あしらい 第九話 雨水の花あしらい「チューリップ」

取材協力:株式会社 大田花き、JA全農にいがた、富山県花卉球根農業協同組合、富山県花き生産者協議会球根切り花部会