二十四節気の花絵

イラストレーターの
水上多摩江さんが花毎のために描いた、
二十四節気の花々です。

第五十一話 啓蟄の花絵「チューリップ」

2020.03.05

life


2020年3月5日から二十四節気は「啓蟄」に

冬の間、土の中にこもっていた生きものたちが、陽気に誘われて動き出すころを表した節気です。
啓蟄の花絵「チューリップ」は、切り花でも光の方向に曲がりながら茎を伸ばす特性を持つ、まさに万物が動くこの時季を象徴するような花です。
チューリップはすっきりとした姿と鮮やかな色から、可愛らしく、あどけないイメージがありますが、実は多種多様な色と花型が存在しています。そのユニークな花には人を惹きつけて止まない長い歴史がありました。

チューリップの歴史

中央アジアが原産と推測されるチューリップは、オスマン帝国(現在のトルコ)で品種改良が始まり、宝飾品やタイル、服装品といった後世に残る宝物のモチーフになるほど国の花として愛されました。
その後17世紀にオランダへ渡ると、今度はオランダが栽培と品種開発の中心地となり、珍しい花を求めた愛好家の収集熱が高まって、世界初のバブル景気を引き起こしたのです……

時は変わって現在。
チューリップの品種は増え続け、現在では6,500種近くの品種がオランダ王立球根生産者協会に登録されていますが、品種開発に20年近い時間がかかる花としては、驚異的な品種数の多さです。

一方、水上さんが描いたのはフォークロアな雰囲気が漂う、大らかな印象のチューリップ。
一緒に描かれた鳥や蝶が葉のようでもあり、こんなテキスタイルで作った服があったら楽しいだろうなぁと思う素敵な作品です。


花毎の花言葉・チューリップ〈夢を追う〉

一般的なチューリップの花言葉は「博愛」「思いやり」「美しい瞳」など。
花毎ではこの花がバブルを引き起こし、未だに新たな品種が作り続けられるほど、人を惹きつける力があることをこの花言葉に託しました。

水上多摩江

イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 琵琶湖の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など