vol.7 ガーベラ──思いがけない出会いを楽しむ
2025.10.16
暮life
週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。
秋の彩りをユニークな花で
秋が深まり、空気に透明感が増してくる頃。
街の色も、装いも、どこか落ち着いたトーンに包まれるこの季節。
そんなときこそ、花選びに少しだけ遊び心を加えてみませんか?
今回は、花びらの形や色がユニークな「ガーベラ」と、秋の風情がある「ワレモコウ」を組み合わせた飾り方をご紹介します。
■ 主役の花材《ガーベラ・マリモグリーン》
「ガーベラ・マリモグリーン」は、その名の通り、マリモのような姿をしたガーベラです。
一般的なガーベラは花弁(舌状花)がありますが、この花は中心部にある〈しべ〉の部分が放射状に発達したもの。
花らしくないともいえるユニークな姿は、少し手に取りづらいかもしれません。
しかし、一輪でも存在感は抜群。ちょっと珍しいこんな花を、お部屋のアクセントに取り入れてみませんか?
「ガーベラ」の基本情報
□出回り時期:通年
□香り:なし
□学名:Gerbera jamesonii Hybrid
□分類:キク科ガーベラ属
□和名:大千本槍(オオセンボンヤリ)、花車(ハナグルマ)
□英名:Gerbera
□原産地:南アフリカ
□花言葉:元気を出して、希望、前向き など
■ 組み合わせる花材《ワレモコウ》
ワレモコウ(吾亦紅)は源氏物語にも登場するほど、古くから親しまれてきました。
一見地味な印象ですが、一枝あるだけで秋の気配を醸し出す稀有な存在です。
他の花と組み合わせることで、秋の気配がふわりと漂います。
■ 花器について
大理石のようなマーブル模様が入った、ゆったりとしたガラスの花器を使用しました。
美しい花器は、花を生けていないときにもインテリアとして楽しめます。
■ 生け方のコツ
最初は花材の長さを活かして飾りましょう。
茎がしっかりしているワレモコウを先に生けると、次に生けるガーベラが狙った位置に簡単に留まります。
今回のような花材は、大きく生けても軽やかなので、いつもよりも長めがおすすめです。
また、垂直に生けるよりも、片側に流すように生けると、こなれた印象になります。
ユニークな姿を活かす
週の前半は長いシルエットで楽しんだら、後半はガーベラのユニークな花を際立たせてみましょう。
■ 花器を替えて、もうひとつの楽しみ方
花材の色にあわせて、前回のvol.6でも使用した淡いブラウンのガラス花器を再び選びました。
細い口の花器は少ない本数でも生けやすく、下部が広がっているため安定感もあります。
ワレモコウから一枝を切り分け、先に生けます。
ワレモコウの間から花が出るように生けることで、ガーベラの存在感がより際立ちます。
お手入れと長持ちのコツ
ガーベラは茎に細かい毛が生えているため、水に浸かると茎も水も傷みやすくなります。
そのため、なるべく少なめの水で生けて、小まめに水を換えましょう。
ガーベラもワレモコウも、水換えのタイミングで茎を切り戻すとより効果的です。
花器も定期的にしっかり洗い、キッチン用の漂白剤などを使って清潔に保ちましょう。
特にガラスの花器は、汚れがない状態だと生けた花が美しく引き立ちます。
▷花毎の「旬花百科」では、さまざまな品種のガーベラをご紹介しています。
10月の担当:久米井 夏実(第一園芸 フローリスト)
「今回は、ユニークな形のガーベラと、秋らしい質感のワレモコウを組み合わせて、個性と季節感のバランスを楽しんでみました。
ガーベラは品種によって形も色もさまざま。お気に入りの一輪を見つけて、週末の空間にちょっとした驚きや遊び心を添えてみてください」
花毎でご紹介しているガーベラのお話
・二十四節気の花絵 第七十八話 穀雨の花絵「ガーベラ」
・二十四節気の花あしらい 第十五話 立秋の花あしらい「ガーベラ」
第一園芸 日本橋店
東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)
第一園芸 全店舗情報
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
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