vol.14 チューリップ ──ホリデーシーズンのはじまりに彩りを
2025.12.04
暮life

週末に、ちいさな楽しみを。
「週末の一輪」は、日々の暮らしにそっとなじみながら、さりげない存在感を放つ季節の一輪を選び、異なる飾り方で少しずつ表情を変えながら、最後まで楽しみつくすための提案です。
月替わりで登場する第一園芸のデザイナーが、生け方の工夫や花との向き合い方をご紹介。
毎週木曜の夕方、週末の始まりに、暮らしにそっと花を添えるひとときをお届けします。
絵画のように花を楽しむ
冬の澄んだ空気に、街の景色が静かな輝きを帯びるころ。
年末のはじまりを告げるこの季節は、一年を振り返りながら、新しい年への思いを少しずつ重ねていく時間でもあります。
そんなひとときに、花の形や色合いで心に新しい季節の予感を灯してみませんか?
今回は、春を先取りする「チューリップ」をテーマにした、週末の一輪をご紹介します。

■ 主役の花材《チューリップ》
みずみずしい色彩をまとったチューリップは、静かな冬の空気に、これから訪れる春の気配をそっと運んでくれます。
その一輪を飾るだけで、寒さの中にやさしい光と希望が生まれる――そんな魅力を持つ花です。
今回は、その魅力を存分に楽しめるよう、一輪でも存在感のある「コロンブス」という八重咲きの複色品種を選びました。
「チューリップ」の基本情報
□出回り時期:11月~4月
□開花時期:3月~5月
□香り:あり
□学名:Tulipa
□分類:ユリ科チューリップ属
□和名:鬱金香(ウコンコウ/ウッコンコウ)
□英名:Tulip
□原産地:地中海沿岸から中央アジア
□花言葉:「夢を追う」「思いやり」など
チューリップは気温の変化によって開閉し、切り花でも光の方向に向かって伸びることがあります。そんな、見るたびに変化が感じられるチューリップは、一輪挿しにとてもよく似合う花です。
たくさんある品種の中から、いまの気分にあわせて、お好みの色や姿を選んでみましょう。

■ 花器について
高さ約14cmの一輪挿しを使用しました。ガラスと木の組み合わせが、素朴なチューリップの美しさを引き立てます。
高さが低めなので、お手入れで短くなった花を生けたいときにもぴったりです。
■ 生け方のコツ
・下の方に葉が付いている場合は、扱いやすくするため取り除きます。
・葉が水に浸からない程度の水量が最適です。

意外な組み合わせに挑戦
前半はシンプルに一輪挿しで楽しみ、後半は意外な花材を組み合わせて、ポップな雰囲気に。
チューリップの違う表情が現れます。

■ 花器を替えて、もうひとつの楽しみ方
後半は抽象画のようなペイントが施された、ユニークな花器を選びました。
一見難しそうですが、花器から花を選ぶという楽しさもあるアイテムです。

■ 組み合わせる花材《モンステラ》
切れ込みの入った大きな葉が特徴のモンステラを合わせます。
モンステラのつややかなグリーンが、チューリップの鮮やかな色と賑やかな花器をうまくつなげてくれます。
■ 生け方のコツ
・チューリップの大きな葉は取り除いておくと、生けやすくなります。
・モンステラの葉でチューリップを包み、花器に差し込みます。
■ お手入れと長持ちのコツ
・チューリップは水をよく吸うので、水替えはできるだけ毎日行いましょう。
・水替えの際に茎を少しずつ切り戻すと、水の吸い上げが良くなり、花持ちが向上します。

12月の担当:志村 紀子(第一園芸 デザイナー)
「寒さの中で春を思わせるチューリップは、心に小さな希望を灯してくれる花です。一輪でも十分に存在感があり、花器や組み合わせ次第で表情が変わるのも魅力。ぜひ、週末のひとときに取り入れて、季節の移ろいを楽しんでみてください」
花毎でご紹介しているチューリップのお話
・二十四節気の花あしらい 第三十四話 春分の花あしらい「桜色のチューリップ」
・旬花百科 第二十六話 「ユニークなチューリップ2」
・夢の花屋 第三話 「キューケンホフのチューリップガーデンに見立てる」
・二十四節気の花絵 第五十一話 啓蟄の花絵「チューリップ」

第一園芸 日本橋店
東京都中央区日本橋3-3-11 第一中央ビル 1階
電話番号 03-6696-8730
営業時間 11:00~19:00
アクセス 日本橋駅 約300m(徒歩約4分)/八重洲地下街出口 約40m(徒歩約1分)
第一園芸 全店舗情報
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Text・Photo 第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
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