〈北海道ガーデン街道 vol.1〉第三話 丘の上のガーデンで楽しむ花・食・農「十勝ヒルズ」
2018.08.04
旅travel
*写真提供:十勝ヒルズ
第二話の「六花の森」から車で約40分、十勝平野を見渡す小高い丘の上に「花・食・農」をコンセプトにした「十勝ヒルズ」があります。
遮るものが何もない丘の上には趣の異なるガーデンとレストラン、そして園内のレストランでも使われる自然栽培の畑が広がります。
青空を映したようなブルーと雲をイメージした白の草花が広がる中、1本の白樺のシンボルツリーがすっと立っているのが「スカイミラー」。「十勝ヒルズ」を代表する絶景ガーデンです。
「十勝ヒルズ」のガーデンは1周約20分。バラエティ豊かなガーデンを楽しめるコースです。
美しい菜園
*写真提供:十勝ヒルズ
十勝の特産品といえば「豆」ですが、その他にも様々な農作物が栽培される豊かな土地。エントランスの一番近くに位置するのが十勝ならではの特徴を活かしたテーマガーデンのひとつ、「ヴィーズ・ポタジェ」です。
こちらのガーデンは隣接する「ファームレストラン ヴィーズ」から要望のあったハーブや、野菜を無農薬で栽培。見ても楽しめるように工夫されたレイアウトは家庭菜園の参考になりそうです。
丘の上の水辺
「ナチュラルオアシス」のエリアにはルリイトトンボなどさまざまな生き物が集まる「トンボ池」があります。私たちが訪ねた7月中旬はスイレンが見ごろを迎えていました。風にそよぐ西洋シロヤナギとスイレンが織りなす水辺の景色はモネの絵画を思わせる美しさ。
「眺め」を楽しむガーデン
約960株のイングリッシュローズが咲く「ローズガーデン」でヘッドガーデナーの高田玲子さんからお話を伺いました。高田さんは富良野にある「風のガーデン」でもガーデナーとしてキャリアを積んだ方。北海道ならではの庭園づくりをよく知るおひとりです。
おいしそうな香りのバラにこだわる
花毎スタッフI:
高田さん:
こちらの「ローズガーデン」では十勝の空に映えるようなオレンジと自然になじむピンク、全体を引き締めるエンジ色にこだわったバラ選びをしています。
更に、色だけではなく香りも「十勝ヒルズ」のコンセプトを反映して、フルーツやお茶、ワインといったおいしそうな香りがするバラを育てています。
※写真は高田さんがお好きなバラのひとつ「キャロリン・ナイト」。ハチミツの香りがするバラです。
高田さん:
「風のガーデン」で上野さん* に教えていただいて、ここの植栽を考えるときにも上野さんに相談したら「植えたいものを植えればいいから」と言われて気が楽になったんです。
花毎スタッフI:
高田さん:
ガーデンはお休みですがレストランやショップはウィンターシーズンでもオープンしています。
十勝では冬の季語で「十勝晴れ」というのがあって、冬場に晴天が続きます。
これは晴天率が高い十勝の冬を表していて、冷え込みは厳しいけれど天気が良いという、冬ならではの美しさがある場所です。ほとんどの木が落葉して一面が真っ白になった景色も「十勝ヒルズ」ならではのランドスケープなんです。
*上野砂由紀さん:「上野ファーム」のガーデンデザイナー。富良野にある「風のガーデン」のガーデンデザインを担当。
日々植物に真摯に向き合うことで、小さな変化を見逃さない…そんなガーデナー魂を高田さんから感じとったひとときでした。
北海道ガーデンのエッセンスがギュっと詰まっているといった印象の「十勝ヒルズ」。庭とともに食をゆっくり楽しみたい、見て、食べて楽しい場所です。
第四話は日本一の針葉樹ガーデン「真鍋庭園」へ。
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北のオアシス 旬・花・祝・豆 十勝ヒルズ
北海道中川郡幕別町字日新13番地5
http://www.tokachi-hills.jp
開園期間:4月下旬~10月中旬
冬季休業期間があります。営業時間、入館料などの詳細につきましては十勝ヒルズのWEBサイトをご覧ください。
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